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ピアノ作品を吹奏楽に再構築。単なる編曲ではなく、田村氏のスパイスが効いた新たな作品となっている。

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宅配スコア閲覧:バッハの名による幻想曲とフーガ

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楽曲詳細情報

作曲
フランツ・リスト(Franz Liszt)
編曲
田村文生 (Fumio Tamura)
演奏時間
15分30秒 (約)
グレード
5
調性
原調
主なソロパート
Fl. / Bsn. / B♭Cl.(soli) / T.Sax. / B.Sax. / Euph. / St.Bass
Trp.最高音
1st:High Ces / 2nd:As / 3rd:F
編成
吹奏楽

楽器編成

    • Piccolo (doub. 3rd Flute)
    • 1st & 2nd Flutes
    • 1st & 2nd Oboes
    • 1st & 2nd Bassoons
    • Clarinet in E♭
    • 1st Clarinet in B♭(div.)
    • 2nd Clarinet in B♭(div.)
    • 3rd Clarinet in B♭
    • 1st & 2nd Bass Clarinet in B♭
    • Contra-alto Clarinet in E♭
    • 1st Alto Saxophone in E♭
    • 2nd Alto Saxophone in E♭
    • Tenor Saxophone in B♭
    • Baritone Saxophone in E♭
    • 1st Trumpet in B♭
    • (doub. Flugelhorn)
    • 2nd Trumpet in B♭
    • (doub. Flugelhorn)
    • 3rd Trumpet in B♭
    • 1st & 2nd Horns in F
    • 3rd & 4th Horns in F
    • 1st & 2nd Trombones
    • 3rd Trombone
    • Euphonium (div.)
    • Tuba (div.)
    • String
    • Harp (opt.)
    • Timpani
    • 1st Percussion
      Snare Drum / Medium Tom
      Suspended Cymbal
    • 2nd Percussion
      Bass Drum / Large Tom
      Crash Cymbals
      Suspended Cymbal / Triangle
    • 3rd Percussion
      Crash Cymbals
      Suspended Cymbal
      Hi-hat Cymbal / Tam-tam
      Tambourine
    • 4th Percussion
      Crash Cymbals
      Suspended Cymbal
      Triangle / Tambourine
      Tam-tam
      Glockenspiel
      Xylophone / Vibraphone
      Marimba / Chimes
    • 5th Percussion
      Triangle / Tambourine
      Glockenspiel
      Xylophone / Chimes

楽曲解説

 2005年 北海道教育大学函館校吹奏楽団委嘱作品

 ピアノの技巧が駆使された「BACHの主題による幻想曲とフーガ」においてリストは、バッハのスペリングから導き出された音を設定したのだが、「主題」と謳っているものの、或る程度の長さと性格を持った「主題」というよりも、それを細分化したモティーフ(動機)と呼ぶのが相応しいかも知れない。さらには、リズムの特徴をほとんど持たない、非常に抽象的な 「音列」(音の高さの連なり)と表現するのが妥当であるとさえ思える。

 さて、リストの原曲は、フーガの部分が含まれているものの、様々な性格の音楽が形式に囚われない自由な発想によって次々と出現するという構成である。ソナタ形式に見られるような、音楽の様式(性格)や調の統一性といったものはこの作品では目的とされていない。しかしその代わりに、ピアノの音響的特性に関する様々な側面からのアプローチがなされ、リストのピア二ズムの特質が表れている。

 ピアノ作品から大規模な吹奏楽に編曲するにあたって、旋律・強弱などの音楽の様々な要素が拡大・デフォルメされている部分は、原曲でのピアノによる音響の究極の形の反映とも言え、彼の楽器や音響に関する理念を踏襲しつつ、それらを吹奏楽に音響変換した、ということになる。例えていうならば、もしリストが大規模な吹奏楽の編成を得ていたら、当時の「急進派」であった彼のこと、恐らくこのような作品に仕上がっただろう、という私の見解が編曲として表現されている、ということである(しかしそれはほとんど編曲ではなく作曲に近いものであるが…)。


演奏上の留意点等
・主題(隠された主題を含め)の様々な変容が浮き立つ立体感
・リストのピアニズムに匹敵するような管楽合奏としての過激な音色の表出
・主題とそれに続く半音階的動機の適切な処理

(楽曲解説より抜粋)

― 第2刷 改定版に寄せて ―

            

 繊細なテクスチャーから暴力的とも言える混沌とした響きに至るまで、ピアノの音響的特性が極限にまで拡張されたと言える作品。その編曲では、リストの原曲を踏襲する一方、所々で全く異質な音楽に書き換えられている。だがそれは、リストが「ピアノ」という楽器に即して作曲したのとほぼ同様な意味で、「吹奏楽」という編成に即して編曲した結果、或いは、原曲の要素の持つ別の方向性の提示であると受け止めて頂いて良いだろう。
 2005年、北海道教育大学函館校吹奏楽団の委嘱により初演後、多くの吹奏楽団によって演奏されてきたが、その過程において様々な部分的書き換えを行ってきた。13年にわたる再編曲の積み重ねを経た2018年、それまでの蓄積を纏めるかたちで、また、アーティキュレーションの曖昧であった箇所なども確認しながら、改訂版としてリニューアルすることとなった。主な改訂は以下の通りである。

・ハープの追加
・打楽器パートの全面的見直し
・一部管楽器パートの複声部化
・テクスチャーの変更(練習番号4番)
・対旋律の改訂(299小節)
・リズムの付加(練習番号12番)

(2019年3月 田村文生)


▼下記音源は改定前の版で収録しております。