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楽曲詳細情報
- 作曲
- マヌエル・デ・ファリャ(Manuel de Falla)
- 編曲
- 黒川圭一(Keiichi Kurokawa)
- 演奏時間
- 15分00秒 (約)
[1.パントマイム 4:30/2.情景 1:20/3.きつね火の歌 1:45/4.亡霊 0:15/5.恐怖の踊り 2:00/5.恐怖の踊り 2:00/6.魔法の輪(漁夫の物語) 2:10/7.真夜中 0:25/8.火祭りの踊り 4:00/終曲-暁の鐘 1:15] - グレード
- 5
- 調性
- 全曲原調
- 主なソロパート
- [1. Fl. / Ob.(or A.Sax) / B♭Cl. / A.Sax. / Trp. ][2. Fl. / Ob.(or T.Sax.)][3.A.Sax.][4. Trp.][5. Ob.(or B♭Cl.)][6. Fl.(soli)][8. Fl.(soli) / Ob.(or S.Sax.) / B♭Cl. ]
- Trp.最高音
- 1st / G 2nd / G
- 最少演奏人数
- 26名
- 編成
- 吹奏楽(小編成)
- Flute 1 & 2 (doub. Piccolo)
- Oboe (opt.)
- Bassoon (opt.)
- E♭Clarinet (opt.)
- B♭Clarinet 1 , 2 &3 (all div.)
- Bass Clarinet
- Alto Saxophone 1
- (doub. Soprano Saxophone)
- Alto Saxophone 2
- Tenor Saxophone
- Baritone Saxophone
- Trumpet 1 & 2
- Horn 1 & 2
- Trombone 1 & 2
- Euphonium
- Tuba (div.)
- String Bass (opt.)
- Piano
- Percussion ※3 players~
- TimpaniGlockenspiel
- Vibraphone
- Marimba
- Chimes
楽器編成
楽曲解説
近代スペインを代表する作曲家であるマヌエル・デ・ファリャ・イ・マテウ(1876-1946)作曲の「恋は魔術師」は、1915年4月15日、マドリードのテアトロ・デ・ララにて初演されましたが、音楽劇として室内管弦楽編成で書かれた当初の版は芳しい評価を得ることができませんでした。その後、ファリャは大幅に改変の筆を入れ、オーケストラ2管編成によるバレエ音楽として現在一般に知られている形にまとめ上げます。
このバレエの舞台は、アンダルシア州のジプシー居住地として名高いグラナダとも、あるいは、ファリャの故郷カディスを想定されているともいわれており、あらすじは以下のような内容です。
『若くして未亡人となった美しいこのバレエの主役、ジプシーのカンデーラスには、新たな恋人カルメーロができた。しかし、カンデーラスがカルメーロと会おうとすると、嫉妬深い亡夫の幽霊が出現して邪魔をしてくる。そこで、彼女は亡夫が生前にかなりの浮気者だったことを思い出し、美女の友人であるルーシアに幽霊を誘惑してもらうように頼み、ルーシアも好奇心からそれを承知する。さて、いざ恋人同士が会おうとするとやはり亡霊が出現するのだが、案の定ルーシアに気を取られ、その間に恋人たちは愛のキスを交わし、幽霊はその功徳によって消え失せる。』
この吹奏楽編成用のスコアは、バレエ音楽版全曲のなかから、スペインの女流ピアニスト、アリシア・デ・ラローチャや同じく女流ピアニストの小山実稚恵がアルバムで採っている配列による8曲に「終曲」を加えた9つの楽章を抜粋して編曲したものです。最低25名程度の小編成からの演奏が可能です。また、ピアノのパートは曲中で大変重要な役割を果たしていますので、省略せずに演奏することが望ましいです。
収録部分の中からいくつかご紹介します。
1.パントマイム(Pantomima)
原曲では後半の11曲目に置かれていますが、ファンファーレ風の楽句は全曲の冒頭と同じテーマが用いられています。続いて、8分の7拍子という変拍子ながらも大変優美な旋律が極めて自然な流れのなかに奏され、最後に、冒頭のテーマが弱奏で再現されます。
8.火祭りの踊り(Danza ritual del fuego)
オーケストラ・ピースとして、またピアノ独奏曲としてもしばしば単独でも演奏される大変有名な1曲です。
悪霊を払うため、ジプシーたちが火を焚いて踊ります。連続するトレモロがきつね火のような神秘的な雰囲気を醸し出すなか、オーボエのソロによって踊りが始まり、次第にエネルギッシュに高揚していきます。
終曲-暁の鐘(Les cloches du matin)
ルーシアは亡霊の誘惑に成功し、カンデーラスとカルメーロとの新たな恋人の幸せを祈って夜明けの鐘が鳴り響きます。“パントマイム”の旋律に乗って「もう夜が明ける! 歌え、鐘よ、さぁ歌え! 私の輝かしい日々が戻ってくる!」と歌われバレエは大団円を迎えます。
この吹奏楽編曲のスコアは、青梅市立第3中学校吹奏楽部が、この作品の木管8重奏編曲(ENMS-84208)で第32回全日本アンサンブルコンテストに出場されたのを機に、ブレーンミュージックより委嘱されたもので、2009年11月23日、東京都あきる野市の秋川キララホールにて催された、あきる野市吹奏楽団の定期演奏会に於いて、青梅3中の顧問でもあった小玉公二先生の指揮、同団の演奏によって編曲初演されました。
(黒川圭一)