♪詳細情報♪
▼楽器編成▼
Fl.1-3
Ob.1-2
E.H.
Bsn.1-2
Eb Cl.
Bb Cl.1-3
Eb A.Cl.
B.Cl.
A.Sax.1-2
T.Sax.
B.Sax.
Hrn.1-4
Trb.1-4
Euph.1-2
Tuba
St.Bass
Timp.
Piano
Harp
Marimba
Crotales
Vibraphone
Mark Tree
Tam-tam
Sus.Cym.
B.D.
Chimes
Xylophone
♪楽曲解説♪
アルケミー・イン・サイレント・スペーシズは変容の音楽です。フランシス・マクベス氏の下で学んでいたときに書いた作品から生まれたもので、その時期の自分の人生を音楽的な、また超音楽的なシンボルとして具体化しています。
第1楽章「the logic of all my dream」はシンプルさと繊細さと美しさの音楽です。冒頭はピアノのFの単調な繰り返しをベースに、非常に薄く書かれています。時間間隔のない浮遊感を呼び起こすように書かれているにもかかわらず、ゆっくりと、しかし確実に、全てを包み込むような暖かい協和音に向かって徐々に推進力やまとまりを作り出していきます。
第2楽章「points of attraction」も第1楽章と同様に静かに始まりますが、第1楽章よりも早くエネルギーを蓄積し、盛り上がっていきます。特定の音楽の方向に到着する代わりに、上へ外へと螺旋を描くように続いていき、危機に直面しそのまま「the still point of destruction」へ突入します。
第3楽章「the still point of destruction」は、恐ろしく、推進力のある不協和音とほろ苦いノスタルジアがテーマです。第1楽章、第2楽章と同じモチーフで書かれていますが、音楽性や構造は変化しています。絶え間ないリズムの中で喜びと痛みの合金を作り出しています。
<演奏上の注意>
全ての楽章を続けて演奏してください。第2楽章も第3楽章もその前楽章の音が完全になくなってしまう前に始めてください。全楽章を通して、8分音符以上のタイは、タイが終わる拍の頭で切ってください。音価いっぱい伸ばす必要はありません。
第1楽章は継続感が最も大切です。この作品の最初の数分間はゆっくりと89小節目に向かって絶えず音楽が進んでいくように、それぞれのパートの関連を意識して演奏してください。冒頭のピアノで繰り返されるFはppと表記されていますが、はっきりと聴こえるように演奏してください。第1楽章内に出てくるアルペジオは輝きを保つためのものです。フレーズの音の頭を正しいタイミングで演奏することが重要です。
第2楽章はそれぞれのフレーズで満ち引きをしながら、91小節目のクライマックスに向かって音楽が流れるように上へ外へと絶え間なく進んでいきます。94-98小節目のゆっくりとしたテンポのところは、音楽が止まってしまったかの様に極端にテンポを落としてください。
第3楽章は激しく爆発し、落ち着いた叙情的な瞬間の箇所でさえも決して静まることはありません。突然のダイナミクスと音楽性の変化は最大限に激しく演奏すると効果的です。
(スティーブン・ブライアント)