各パートのソリスティックな表現が絡み合う!
実に楽しい作品です。「ソロやりたい!」という意欲的なメンバーが集まっているバンドには最適です。中でもビブラフォンは大活躍ですので、この面白さに気付いて楽しくノリノリで・・・
楽曲詳細情報
- 作曲
- 江原大介(Daisuke Ehara)
- 演奏時間
- 4:20(約)
- グレード
- 3.5
- 編成
- フレキシブルアンサンブル
- Part 1
- Flute
- Clarinet in B♭
- Soprano Saxophone in B♭
- Part 2
- Flute
- Oboe
- Clarinet in B♭
- Alto Saxophone in E♭
- Part 3
- Clarinet in B♭
- Alto Saxophone in E♭
- Tenor Saxophone in B♭
- Horn in F
- Part 4
- Clarinet in B♭
- Alto Saxophone in E♭
- Trumpet (Flugelhorn) in B♭
- Part 5
- Bassoon
- Tenor Saxophone in B♭
- Trombone
- Euphonium
- Part 6
- Bassoon
- Bass Clarinet in B♭
- Baritone Saxophone in E♭
- Trombone
- Bass Trombone
- Tuba
- String Bass
- Part 7
- Vibraphone
- Percussion(option)
- Snare Drum
- Ride Cymbal
- Suspended Cymbal
- Glockenspiel(option)
楽器編成
楽曲解説
内容を一言で表すとしたら、一定の速いテンポで駆け抜ける曲です。ジャズのハーモニーを用いながらも、部分的にはクラッシュした響きを与えるという手法で書かれています。その上で、キャッチーさを重視しました。ブルーノートを多用し、アドリブのようなフレーズが出てきますが、これらは全て楽譜に書かれており、あくまでもクラシカルスタイルの作品となっています。
私のこれまでの作品には色を取り入れたタイトルのものが多く、この曲も「白銀」という色を用いています。運命は賽(サイコロ)のようであり、もしそうであるならばより美しく輝きのある賽を求める…「白銀」という色から広がるのはそのようなイメージでしょうか。しかしそれらは勝手なイメージであり、あくまでも絶対音楽として作曲されています。自由に聞いて頂ければと思います。
この作品を作る上で、レパートリーとして広く演奏して頂けるような作品を目指しました。それが作曲家としての私の役割と課題の一つであるからです。もちろん、時には他者の意見、意識を無視した芸術作品を作ることも重要だと考えています。様々な想いが投影されていくこと、それこそが新しい作品の面白さです。作曲家としてどこまで書きたいもの、あるいは書くべきものを楽譜にできるか、終わりのない迷路を進むような感覚もあります。それもまた、運命の賽のようだ…と考えます。
この作品は2022年、作曲家集団で演奏会企画のLa portee(ラポルテ)の委嘱により作曲、当企画の演奏会にて初演されました。
●編成について
木管と金管のバランスを考えた上で打楽器を足していくように楽器を組み合わせるのが良いと思います。例として挙げるならFl. /Cl. /A.Sax. /Trp. /Euph. /Tub. /Vib. など…。
フレーズの関係からPart1とPart2は木管のみとなっています。3対3で木管と金管の比率を対等にするか、または木管を多めにして組んでみても面白いかもしれません。
この曲はヴィブラフォンパートが要になります。オプションとなっている打楽器パートも加えるとよりスピード感のあるリズムが表現できるでしょう。
●演奏について
とにかくスピード感が重要なので、表記のテンポに近づけるようにしてみてください。また、音が重くならないように軽やかに演奏してください。
各パートのソロの部分では、個性を出しながら演奏してみると面白いと思います。例えるならば、ジャズの間奏にあるようなソロが次々に回ってくるイメージです。縦の響きも大切にして、音楽を進めていってください。
※カッコの付いた臨時記号(♭)などは注意喚起のために付けてあります。
(江原大介)