♪詳細情報♪
▼楽器編成▼
1st Clarinet in B♭
2nd Clarinet in B♭
3rd Clarinet in B♭
4th Clarinet in B♭
2nd Clarinet in B♭
3rd Clarinet in B♭
4th Clarinet in B♭
♪楽曲解説♪
何かに行き詰ると原点に還りたくなる瞬間、いや還らざる負えないことが多々あります。次に進むために今まで歩んできた軌跡をもう一度辿るのも結構有意義なもので、その復習のような作業にまた新たな発見があったりして驚かされます。立ち位置が変わって過去を見つめると、そのときには感じることができなかったものがとても鮮明になったり、魅力的であったことがそうでもなくなったり、人間の感覚とは誠に不思議なものです。
今回も何を書くべきか?何を生み出すべきか?あまりに思考しすぎてマンネリズム化した創造力から脱却すべく原点、古典の世界へ…。バッハをはじめとする偉人たちの越えられぬ威圧感がこの曲を書いている間常に支配し、今まで感じ得ない重圧感で仕上げました。「なんというものに手を出してしまったのか…」と悔やみながら、改めて偉人たちの素晴らしさに感嘆。
無調で「崩れていく、壊れていくような」部分は、2012年現在に生きる私ができる唯一の抵抗『偉人たちが絶対できなかったことはなんだ?』と思って盛り込みました。それともバロックの由来『ゆがんだ』からくる私なりのイメージでしょうか。
テンポ136で分散和音が連続し、テクニック的にかなり高度ではありますが、難しさを「さらっと!」演奏してしまう格好良さ!が、バロック音楽にはあるように思います。
2012年 9月20日 阿部 勇一