サクソフォーン4重奏：ヴォカリーズ 作品34-14／ラフマニノフ（堀井正司）【アンサンブル楽譜】

「ヴォカリーズ」作品34-14は、もともと母音のみで歌われる歌曲として、14曲からなる歌曲集作品34の最後に置かれた曲です。演奏しても聴いても本当に心が洗われる様な美しいメロディです。

フレーズを収めるトリルや、クレッシェンドに伴うアゴーギグをテンポに捕われ過ぎないで(但し匙加減を忘れずに)美しく音楽的になるよう工夫をしましょう。メロディラインの受け継ぎや、それぞれの奏者の歌い方を揃えることも大切です。楽器が変われば当然音色は変わりますが、音程やヴィブラートの性質はなるべく同じ言葉になるよう研究しましょう。

E#→F#のレガートはTfキィを使うと滑らかに表現し易いです。39小節めと43小節め、52小節めと56小節めは16部音符の動きを対照的に感じましょう。［D］からエンディングへはメロディラインの最高音を大切にして切なく聴かせて下さい。最後の音符はそれぞれの音が永遠に続きながら消えていくように、楽譜通りの長さを保って下さい。

(アルモ・サクソフォン・クァルテット:中村均一)