デジタル配信開始!
なにわオーケストラルウィンズ2007 (Live at Tokyo Metropolitan Theatre, 2007)がデジタルリリース!
オススメは「春の猟犬/リード」の東京・大阪公演の聴き比べ!
新たな風の肖像
雲の上で、まぶしい風が吹いていた。
その風は、遥かな遠い国々から吹いてきた。みんな、その風に憧れて懸命に楽器に向った。
ほんの少し年代をさかのぼった頃、日本で吹奏楽に打ち込んだ人なら、この「雲の上を吹く風」の感覚が解かる。高水準の「本物」の音は、常に外国から吹いてくる風だった。
いつになれば、その憧れの風が日本の風として自然に吹く季節がやってくるのか、見当もつかなかった。風は、いつもまぶしかった。ところが、どうだろう。この『なにわ 《オーケストラル》ウィンズ」の5回の軌跡を描くコンサートは! 第1弾から続く見事なCDは! 雲の上だった遥かな国の風、憧れの風が、すぐ身近なところで吹いている。いま吹奏楽を愛する人々は幸せだ。もう手の届かない雲の上の風を、遠い国を、羨ましがらなくていいのだから。このまぶしい風は日本の風だ。しかも、吹奏楽とオーケストラのあいだの面倒な壁を、この美しい風は悠々と超えている。 名門交響楽団の奏者など、日本の第1級の名手たちが、楽しみつつも真摯な姿勢を聴かせている。さらに凄いのは、実験的で挑戦的姿勢を鮮明に打ち出していること。「吹奏楽にはこんな可能性がある、視点を変えればこうなる」、そんな提言を彼らは、驚くべき実験や新作委嘱、稀少曲の発掘で発信してきた。そして最新の演奏会で彼らは、本拠地ザ・シンフォニーホールから東京にも出掛ける。客席には、クラシック界で注目の若手指揮者など、玄人も多く駆けつけ話題騒然ぶりを証明した。その鮮烈な記録が、このCDなのだ。これは、新たな風 (Winds) の肖像だ。
響 敏也(作家・音楽評論家)
デジタル配信曲
【演奏】なにわ《オーケストラル》ウィンズ【客演指揮】丸谷明夫/立石純也
- 蘇る火の鳥
- S.ライニキー
- ウィリアム・バード組曲
- G.ジェイコブ
- I The Earle of Oxford's Marche
II Pavana
III John come kisse me now
IV The Mayden's Song
V Wolsey's Wilde
VI The Bells - 春の猟犬
- A.リード
- H.R.H. ケンブリッジ公
- M.アーノルド
- アンデルセン物語
- M.エレビー
- I Overture - The Steadfast Tin Soldier
II Soliloquy - The Little Match Girl
III Scherzo - The Emperor's New Clothes
IV Idyll The Snow Queen
V Finale and Chorale - The Red Shoes - アーセナル
- J. ヴァンデルロースト
- メキシコの祭り
- H.O. リード
- I Prelude and Aztec Dance
II Mass
III Carnival - マーチ・エイプリル・メイ
- 矢部政男
- 川の流れのように
- 見岳 章(編曲:真島俊夫)
- ゲバゲバ90分
- 宮川 泰(編曲:宮川彬良)
- 春の猟犬 (Live at The Symphony Hall, 2007)
- A.リード