ゾウの足 ～1986.4.26 チェルノブイリ原子力発電所事故による～／林 大地｜スタッフ・レビュー！

　〈「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲〉にて第29回朝日作曲賞受賞。新進気鋭の作曲家/打楽器奏者の林大地の初出版作品が登場です。 出版前から多くの反響を呼び話題となっている本作。”打楽器奏者でもある”作曲家ならではのパーカッシブかつスピード感あふれるオーケストレーションが魅力の作品。 また、作品に散りばめられた各ソロは、自由に楽器を選択でき“バンドの個性に合わせた音楽づくり”が可能です。 歴史的事件を題材とした作品に取り組むことで、“核”の恐ろしさや戦争について考えるきっかけになれば…世界情勢に目を向けて平和について考える良い機会となると幸いです。

　作品は強烈なインパクトの打ち込みから始まります。それは事故の凄惨な光景を印象付けます。 中間部のソロは、憂い・怒り・悲しみなど様々な感情が内面で渦巻いているかのような感傷的な旋律。 その後は次第に明るい曲調となり復興への希望や期待を感じさせます。クライマックスに向け再びテンポが上がり、疾走感をもって終わりを迎えます。 演奏最少人数は21名。打楽器もオプションや組み合わせ次第で少人数で演奏可能です。 歴史的な題材の作品に取り組みたいというバンドに特におすすめです。