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投稿エピソード#26

天理高等学校 新子菊雄先生/千数百年前の古代のロマンへと誘われ―

2020年9月3日

《雲のコラージュ》1994年東京《普門館》に於ける第42回全日本吹奏楽コンクール課題曲。

 「雲のコラージュ」は大変ユニークな作品で、主旋律・副旋律・和音を変えなければ打楽器も含め(ピアノ・ハープ・イングリッシュホルンなど)自由に楽器を加えてもよく、各団体がそのイメージによって自由に個性を発揮したサウンドを作る事が認められた画期的な課題曲でした。

 さて、本校のすぐ東には日本書紀に名を残す我が国最古の道「山辺の道」が飛鳥の里へとつながり、西には悲運の皇子・大津皇子が葬られた二上山に空を真っ赤に染め巨大な夕日が沈みます。南には飛鳥の里。北には斑鳩宮や平城京の空が広がっています。季節や時刻によって刻々と変化する雲の形や色彩、木々を抜ける風のそよぎは万葉集にも歌われ、私達を千数百年前の古代のロマンへと誘います。
 大きな和紙のキャンパスに日本の岩絵具で大和の空を描く様に、雲のグラデーションはハープで、木漏れ日の煌きは800年前の明珍火箸の澄み切った音色でという風に、サウンドをブレンドし、自由な素材を用いて描いてゆきました。

 1984年日米バンド指導者合同会議で、櫛田胅之扶作曲の「飛鳥」をインデアナ大学コンサートバンドを指揮して演奏した際にも、アメリカの学生達に1500年前の大和の国についてレクチャーしたことが懐かしく思い出されました。

 

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