楽曲詳細情報
- 作曲
- 樽屋雅徳(Masanori Taruya)
- 演奏時間
- 8:00
- グレード
- 3
- 主なソロパート
- Vib.
- Trp.最高音
- 1st:F / 2nd:F / 3rd:E
- 演奏最少人数
- 21名
- Piccolo
- 1st & 2nd Flutes
- Oboe (option)
- Bassoon (option)
- Clarinet in E♭(option)
- 1st Clarinet in B♭
- 2nd Clarinet in B♭
- 3rd Clarinet in B♭(option)
- Bass Clarinet in B♭
- 1st Alto Saxophone in E♭
- 2nd Alto Saxophone in E♭(option)
- Tenor Saxophone in B♭
- Baritone Saxophone in E♭
- 1st Trumpet in B♭
- 2nd Trumpet in B♭
- 3rd Trumpet in B♭(option)
- 1st & 2nd Horns in F
- 3rd Horn in F (option)
- 1st Trombone
- 2nd Trombone
- 3rd Trombone (option)
- Euphonium
- Tuba
- String Bass (option)
- Timpani
- 1st Percussion
- Snare Drum
- Triangle
- 2nd Percussion
- Bass Drum
- 3rd Percussion
- Glockenspiel
- Xylophone
- Vibraphone
- 4th Percussion (option)
- Triangle
- Suspended Cymbal
- Wood Block
- Ratchet
- Crash Cymbals
楽器編成
楽曲解説
オスカー・ハマースタイン(2世)はブロードウェイ・ミュージカルにおける現在のスタイルを創造した功労者の一人です。祖父であるオスカー・ハマースタイン1世は、ニューヨーク42丁目と7番街の場所に1000席を有するビクトリア劇場を建てました。これがブロードウェイにおける最初の劇場であるとされています。ビクトリア劇場が開館した頃(初期のミュージカル)は、歌、手品、踊りなどを取り入れた大衆演劇で、ショーの要素が重視されていました。ストーリーはごく単純かつハッピーエンドの恋を軽く描いた作品が中心で、いわば娯楽ショーとして市民を楽しませていました。
そのような当時のミュージカルにおいてスタイルが大きく変わるきっかけとなった作品が、オスカー・ハマースタイン2世が作詞・脚本を手がけた「ショー・ボート(ShowBoat)」です。この作品は初めて本格的なストーリーが盛り込まれ、ドラマの要素をミュージカルで表現しました。人種差別がテーマに用いられ、それまでのお気楽な内容とは異なる深い物語を伝える作品だと高く評価されました。これがブロードウェイ・ミュージカルの始まりと言われています。その後も、「オクラホマ!」「サウンド・オブ・ミュージック」など、オスカー・ハマースタイン2世の手がける作品は自治問題や差別問題を題材としたものが多く、それまでの見せ物や曲芸というイメージだったミュージカルに、ストーリーやドラマを持たせ音楽やショーにメッセージ性を持たせました。オスカー・ハマースタイン2世は「歌は歌うまで、歌ではない」という名言を残しています。ミュージカルという舞台を通して世間や差別問題を問いかける、そんな彼の人柄に心惹かれずにはいられません。彼の誠実で温かな人柄があってこそ、数々の素晴らしいミュージカル作品は多くの人に愛されたのでしょう。オスカー・ハマースタイン2世が活躍する20世紀はじめ頃から、各劇場は白球電球を使った看板を掲げるようになりました。そんな煌びやかで華やか、賑やかなブロードウェイの雰囲気、そして一方では差別問題に心を寄せるオスカーの温かな心、様々な表情を伝えたいと思い、オスカーをテーマに作曲しました。
昨今も、様々な自治問題が絶えません。もし今の時代にオスカーが生きていたら、どんなミュージカルの脚本をとり、どんな歌詞を書くだろうか。彼の輝かしい活躍と、誠実で思いやりに満ちた彼に想いを寄せました。曲は、もし叶うならオスカーに作詞をして頂きたい...!そんな夢を込めて、ブロードウェイ・ミュージカルにあるかのような曲調にしました。
敢えて具体的な物語をモチーフにしておりません。皆さんの中でオリジナルストーリーを作り、思い浮かべながら演奏して頂けたらなと思います。歌を歌うように。
(樽屋雅徳)