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楽曲詳細情報
- 作曲
- 八木澤教司(Satoshi Yagisawa)
- 演奏時間
- 11分00秒(約)
- グレード
- 4.5
- Trp最高音
- 1st:high B♭/ 2nd:Gis / 3rd:F
- 主なソロパート
- Ob.(A.Sax.) / Trp.
- 編成
- 吹奏楽
楽器編成
- Piccolo
- 1st Flute
- 2nd Flute
- Oboe(opt.)
- Bassoon(opt.)
- Clarinet in E♭
- 1st Clarinet in B♭
- 2nd Clarinet in B♭
- 3rd Clarinet in B♭
- Alto Clarinet in E♭(opt.)
- Bass Clarinet in B♭
- Contrabass Clarinet in B♭(opt.)
- 1st Alto Saxophone in E♭
- 2nd Alto Saxophone in E♭
- Tenor Saxophone in B♭
- Baritone Saxophone in E♭
- 1st Trumpet in B♭(div.)
- 2nd Trumpet in B♭
- 3rd Trumpet in B♭
- 1st & 2nd Horns in F
- 3rd & 4th Horns in F
- 1st Trombone
- 2nd Trombone
- 3rd Trombone
- Euphonium
- Tuba
- String Bass(opt.)
- Harp(opt.)
- Piano
- Timpani
- 1st Percussion
- Glockenspiel
- Vibraphone/Chimes
- 2nd Percussion
- Glockenspiel/Marimba
- 3rd Percussion
- Crash Cymbals
- High-hat Cymbal
- Gong
- Triangle (high)/Wind Chimes
- Temple Block (4)/Ratchet
- Bongo/Bird Call
- Vibraslap
- 4th Percussion
- Suspended Cymbal
- Whip
- 5th Perdussion
- Bass Drum
- Tom tom (4)/Gong
楽曲解説
川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団の委嘱作品として作曲した2004年。当時29歳であった私は同団の団長である越川博さんから「リベルテの編成を自由に使って好きなように、書きたいテーマで作曲してみていいよ」とお話を頂きました。作曲家としてまだ名が知られていなかった私は、幼少から大好きであった世界遺産「マチュピチュ」を題材に、同団の大きな編成を存分に生かしたドラマチックなスタイルでこの曲を作曲しました。こんなチャンスは二度とないかもしれないという想いで作曲しました。
その後、世界初演の指揮者であった福本信太郎先生のご紹介でアメリカの巨匠ユージン・コーポロン氏の目に止まり、アメリカの名門ノーステキサス大学ウィンド・シンフォニーでも演奏され、更にはアメリカの指導者のバイブルとも呼ばれるGIA吹奏楽指導書「Teaching Music Through Performance in Band」にも掲載されました。作曲時の想像を遥かに超えた展開でしたが、驚く間もなくブレーン株式会社から連絡があり、名誉ある米国テキサス州吹奏楽指導者協会(Texas Bandmasters Association)主催のコンクール課題曲に選ばれたことを知りました。初めて訪れた2008年のミッドウエストクリニック(シカゴ)では私の名札を見た数多くの指導者からお声をかけて頂き、こんなにも海外で《マチュピチュ》が知られていることに身震いをしたほどでした。
その後、海外での仕事が増えていく中で、各国によって吹奏楽に対する事情が異なることを肌で感じていきます。様々な話を聞いていく中で、編成を標準的にして各楽器の難易度も国際水準にすれば、より多くのバンドのレパートリーになるかもしれない、と《マチュピチュ》の改訂を考えるようになりました。何よりも作曲した当時はマチュピチュへまだ訪れたことがなく、憧れと想像のみで作曲しました。実際に現地でマチュピチュを見た経験を積んだ今、新たな気持ちでオーケストレーションをしたいと想い、この2019年改訂版が誕生しました。今後は、手の出しにくかった中学生バンドや中編成バンドにも親しんで頂けましたら幸いです。
2004年の解説より
川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団第30回定期演奏会委嘱作品として作曲し、福本信太郎氏の指揮と同団によって世界初演。「マチュピチュ」について語るには15世紀から16世紀にかけて、アンデス山脈の様々な地域を短期間に統一した大帝国“インカ”をさけることはできないでしょう。 インカ帝国の首都クスコは黄金の国とも呼ばれ、現在のペルーよりも遥かに高度な文明を持っていました。しかし、1533年に膨大な黄金を狙うスペイン軍に侵略され、インカの象徴“太陽神殿”が破壊されてしまったのです。こうして歴史上、文明はこの時点で滅びたと思われていましたが、それから340年後にアメリカの考古学者によって、スペイン軍の侵略を免れた遺跡“ マチュピチュ”が標高2400メートルという想像を絶する山の中で発見されたのです。 この発見によって当時、王族と共に太陽神殿はスペイン軍の侵略を免れ、空中都市“マチュピチュ”に隠されていたという説が浮上したのです。まだ発見されて100年も経っていない神秘的な“マチュピチュ”。今回は空中に眠るこの壮大な遺跡、そして過去に封印された多くの謎に迫る作品を目指しました。 (詳しい解説とマチュピチュの写真は「作曲家 八木澤教司のホームページ」をご覧ください)
(八木澤教司)