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楽曲詳細情報
- 作曲
- 田村修平(Shuhei Tamura)
- 演奏時間
- 6分00秒(約)
- グレード
- 4
- 主なソロパート
- *ソロは以下の楽器から選択して演奏
Fl. / Ob. / B♭Cl. / S.Sax. / A.Sax. - Trp.最高音
- 1st:G / 2nd:Des
- 演奏最少人数
- 14名
楽器編成
- Piccolo (doub. Flute)(opt.)
- Flute
- Oboe (opt.)
- Bassoon (opt.)
- 1st & 2nd Clarinets in B♭
- Bass Clarinet in B♭(opt.)
- Soprano Saxophone (opt.)
- 1st Alto Saxophone
- 2nd Alto Saxophone (opt.)
- Tenor Saxophone (opt.)
- Baritone Saxophone
- 1st & 2nd Trumpets in B♭
- 1st & 2nd Horns in F
- 1st & 2nd Trombones
- Euphonium
- Tuba
- Contrabass (opt.)
- Percussion ※1 player~
- Finger Cymbals
- Triangle / Wind Chime
- 4 Wood Blocks
- Glockenspiel / Xylophone
- Timpani (opt.)
- Suspended Cymbal (opt.)
楽曲解説
―「鬼姫」とはその字の示す通り、鬼の本性を持ち合わせた女性、あるいは女性の鬼そのものを指す。
中でも古くから有名なのが平家物語に登場する「橋姫伝説」であり、あまりに嫉妬に狂う余り、貴船大明神の進言を得て儀式を行い、自らの姿を鬼と変えて、多くの男女を殺めてしまった。これに似た様々な言い伝えは日本各地にあり、「丑の刻参り」も橋姫が行った呪いの儀式が元になっていると伝えられている。
しかしながら、鬼でありつつも異性に対する感情は、人間と全く同じ様に純粋な恋愛感情から起こる嫉妬であり、その点をみれば人間からかけ離れた存在として単に切り捨てることができるわけではない。人は誰しも闇の感情を持っており、また、外見と秘められた感情は相反することがある。
鬼として生きる道を選び、人を殺める運命から逃れることができなかった「鬼姫」。しかしながらその内面に秘められた純粋な感情を感じたとき、私はそこに、一瞬美しい幻影を見た気がした。―
2013年、玉川学園中学部の土屋和彦先生より委嘱を受けてアンサンブル八重奏版を作曲、2019年吹奏楽版に改編しました。改編にあたり、元の編成にはない打楽器類や管楽器を追加した上で、曲全体を編成の響きに応じたオーケストレーションへ変更しました。14人から30人程度による演奏を想定していますが、様々な楽器で一部のソロパートやオプションパートが演奏できるようになっており、団体ごとの特徴やカラーを活かした演奏が可能です。また、原曲の前後を中心として新たな場面の加筆も行いました。
吹奏楽編成でより多様な演奏表現が行えるよう、テンポやアゴーギク、ダイナミクス、拍子、アーティキュレーション、各部の尺など細部に至るまで変更してあります。そのため、アンサンブル版の先入観にとらわれすぎず新しいアプローチで、より響き豊かに、世界観が広がった新たな「鬼姫」を表現して頂けるのであれば、作曲者として幸いです。
(田村修平)