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♪詳細情報♪
演奏時間:7分15秒 (約)
グレード:4
主なソロパート: Fl. / B♭Cl. / A.Sax. / Trp. / Hrn.(soli)
Trp.最高音: 1st / G(Fis) 2nd / G 3rd / Es
最少演奏人数:26名
編成:吹奏楽(小編成)
▼楽器編成▼
Flute1&2
B♭Clarinet 1 & 2 (all div.)
Bass Clarinet
Alto Saxophone1&2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
Horn 1&2
Trombone 1 , 2 & 3
Euphonium
Tuba
String Bass
Snare Drum
Bass Drum
3 Tom-toms
Crash Cymbals
Suspended Cymbal
Tambourine
Glockenspiel
Xylophone
Chimes
♪楽曲解説♪
2012年、横浜市立市ヶ尾中学校(顧問:田川貴章先生)からの委嘱により、コンクール用自由曲として書き下ろし、同年同校によって初演されました。30名以内の小編成、且つ7分以内という枠の中でドラマ性を持たせつつ音楽を描きました。
現代では動画、静止画ともに映像を扱う媒体の多くがデジタル化しており「フィルム」という存在自体に触れることが少なくなっていますが、私は過去の歴史を記録したフィルム映像を観るのが好きで、この曲に際してもそれらに大きくインスピレーションを受けました。日本に於いて戦時中の映像は勿論のこと、戦前の人々の日々や幕末の武士らを撮影した写真も残されており、それらを初めて観た際に大変感銘を受けたことがこの作品の構想に繋がっています。
尚、ここでいう「英雄」は特定の人物や歴史背景に縛られるものではなく、人間の歴史の中で被写体となった人物全般を指しており「フィルム」という記録媒体を通して語り継がれていく歴史群像を象徴的に表現しようと思いました。それぞれの記憶の中に、そして日々の生活の中に必ず英雄は存在し「フィルム」すなわち人々の生きた証や想いを現代に伝え続ける風景の中で語り継がれ、生きていくのです。
作品は大きく5つの部分に分けられており、それぞれの歴史舞台の空気へゆっくりと引きこんでいくかのような幕開けを飾る序奏部から始まり、各楽器をもって英雄の劇的な活躍を表現する部分、安らかな一刻の休息、そして犠牲に捧げる哀悼と次なる希望を表現する中間部、再び立ち上がり栄光へ一歩ずつ着実に歩む部分、そして英雄の勝利、活躍を讃え歓喜する様子を表現するフィナーレへと、映画音楽の様に色合いが次々と変化していきます。
小編成故に1つ1つの楽器が余す所なく活躍します。瞬間ごとの全体のバランスに気を配り、フレーズの大きな流れや各部分での楽器の役割や接続を意識し演奏してください。全体を通して多くの転調を用いていますが、響きの移り変わりに気をつけ、また、譜面上に複雑なテンポ変化が記されていますが、場面ごとの色の違いをしっかりと作るために変化に注意しつつ表現してください。
(田村修平)