宅配スコア閲覧
♪詳細情報♪
演奏時間:7分10秒(約)
グレード:4
主なソロパート: Ob. / Eng.hrn. / Bass Cl. / Hrn. / Euph. / Timp.
Trp.最高音:1st:G / 2nd:F / 3rd:C
編成:吹奏楽
▼楽器編成▼
Flute 1 & 2
Oboe
English Horn
Bassoon
E♭Clarinet
B♭Clarinet 1 , 2 & 3 (all div.)
Alto Clarinet
Bass Clarinet
Contra Bass Clarinet
Alto Saxophone 1 & 2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
F Horn 1 , 2 , 3 & 4
Trombone 1 , 2 & 3 (or Bass Trb.)
Euphonium (div.)
Tuba (div.)
String Bass
Percussion ※4 players~
Bass Drum
Suspended Cymbal
Tam-tam
Glockenspiel
Vibraphone
Xylophone
Marimba
♪楽曲解説♪
2000年春、上野の東京国立博物館で開催されていた「日本国宝展」を見に行った。絵画や書跡をはじめ、古文書、彫刻、工芸品など、数々の貴重な文化財が展示され、多数の来場者で賑わっていた。そんな中、私はあるひとつの展示物に釘付けになった。縄文時代の考古遺物「火焔土器」である。
火焔土器は縄文中期(紀元前3000~2000年)の代表的な遺物のひとつで、私自身かつて歴史教科書の図版などで目にしたことはあった。また、講演で新潟県長岡市を訪れた際、新幹線コンコースに火焔土器のレプリカが飾られていたことも思い出した。
しかし、いかにガラスケース越しとはいえ、火焔土器の実物を目の当たりにした時、その圧倒的な存在感と、現代美術をも凌駕するほどの強烈な造形美に、大きな衝撃を受けた。その文様は「火焔土器」の名の由来にふさわしく、時に激しく上下し、また荒れ狂うかのように渦を巻きながら、土器の表面を隙間なく埋め尽くし、混沌としたカオスのごとき神秘性とともに鮮烈なエネルギーを発散しつつ、私の脳裏に深く焼きついた。
今回の委嘱作品「火焔」は、上記の体験をもとに、国宝「火焔土器」に楽想を求めた吹奏楽作品である。
曲は大きく「緩-急」の2つの部分から成り、多調性や4度和声を用いて全体の音響が構成されている。音色については、各楽器の低音域の音色を意識的に多用した。また大小のうねりを伴う旋律線や音量変化、激しく叩きつけられるリズムなどによって、縄文の大地の叫びと、火焔土器を作り出した人間たちの力強い生命感の表現を試みた。
はるか5000年の時を越えた、縄文の声をお聴きいただきたい。
[国立音楽大学シンフォニック・ウインド・アンサンブル 第30回定期演奏会プログラムより]
国立音楽大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル委嘱作品