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元は、フルート、クラリネット、サクソフォンから成る木管八重奏のために書かれた曲で、今回バンド版としてリメイクされたわけですが、元々の美しい木管アンサンブルに加えて、充実した金管楽器の迫力あるサウンドとパンチのある打楽器が加わって、より深さや広がりが増した結果、説得力が増し、スケールの大きな作品となって生まれ変わったように思います。今回の収録作品全体をひとつのコンサートに見立てると、メインに位置する作品だと感じました。長短の差はあれ、Bass.Cl、Horn、Tuba、等にもSolo があり、なかでも Fl 、B♭Cl、A.Sax 、B.Sax のソロは重要です。色々な面を総合して考えると、なるべく多い人数で演奏する方が効果的だと思います。(都賀城太郎)
楽曲詳細情報
- 作曲
- 松下倫士(Tomohito Matsushita)
- 演奏時間
- 6:40(約)
- グレード
- 4
- 主なソロパート
- Fl. / B♭Cl. / Bass Cl. / S.Sax. / A.Sax. / B.Sax. / Hrn. / Tuba
- Trp.最高音
- 1st / F 2nd / D
- 最少演奏人数
- 22名
- 編成
- 吹奏楽(小編成)
楽器編成
- Flute (doub. Piccolo)
- Flute 2
- Oboe (opt.)
- Bassoon (opt.)
- B♭Clarinet 1 & 2
- Bass Clarinet
- Alto Saxophone 1
- (doub. Soprano Saxophone)
- Alto Saxophone 2
- Tenor Saxophone
- Baritone Saxophone
- Trumpet 1
- (doub. Flugelhorn)
- Trumpet 2
- Horn 1 & 2
- Trombone 1 & 2
- Euphonium
- Tuba
- String Bass
- Piano
- Percussion ※3 players~
- Timpani
- Snare Drum
- Bass Drum
- 4 Tom-toms
- Crash Cymbals
- Suspended Cymbal
- Tam-tam
- Triangle
- Wind Chime
- Glockenspiel
- Vibraphone
楽曲解説
この作品は新潟県佐渡島に伝わる、島の娘と越後の男との悲恋の民話に基づいて作曲しています。元々は木管8重奏曲ですが、新潟市立西川中学校吹奏楽部の委嘱で吹奏楽版を作曲しました。
「昔々、佐渡に漁師の娘でお弁という娘がいた。お弁は佐渡からちょうど向かいの越後から来た、船大工の藤吉と恋に落ちるが、佐渡での仕事が終わり藤吉は越後に戻ってしまうため、お弁は考えた末、夜に漁で使うタライ舟に乗って越後に通う事にした。藤吉も最初は喜んだが、毎晩タライ舟に乗って自分の所へ来るお弁をだんだん恐ろしく感じてきた。おまけに藤吉は妻子がいた。これ以上は来て欲しくないと思い、ある日お弁がタライ舟に乗ってやってくる時間を狙って、目印にしている岬にある常夜灯(灯台)を消してしまった。目印を失ったお弁はそれから海を漂い、とうとう波にのまれ、朝になるとお弁の亡骸が浜に打ち上げられた。お弁を死なせてしまった藤吉は深く後悔し、藤吉も後を追って海に身を投げて命を絶った。」
悲劇のストーリーを予想させるような序奏、お弁の純粋な恋心や一途な想い、落胆、嘆き、叫び…など、様々な心情や情景を表しています。そして、この作品は歌う旋律が多いのが特徴です。緊張感がなくならないよう、間の取り方などにも工夫をし、演奏していただけると嬉しいです。
(松下倫士)