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♪詳細情報♪
演奏時間:11分40秒(約)
グレード:4
主なソロパート: S.Sax. / Hrn. (or T.Sax.) / Trb.
Trp.最高音:1st:A / 2nd:G / 3rd:G
編成:吹奏楽
▼楽器編成▼
Flute 1 & 2
Oboe
Bassoon
E♭Clarinet
B♭Clarinet 1 , 2 & 3 (all div.)
Alto Clarinet
Bass Clarinet
Alto Saxophone 1
(doub. Soprano Saxophone)
Alto Saxophone 2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
Horn 1 , 2 , 3 & 4
Trombone 1 & 2
Bass Trombone
Euphonium (div.)
Tuba (div.)
String Bass
Piano
Percussion ※6 players~
Bass Drum
3 Tom-toms
Crush Cymbals
Suspended Cymbal
Triangle
Glockenspiel
Vibraphone
Marimba
♪楽曲解説♪
哲学者であり、詩人でもあった串田孫一氏(1915-2005)の著作に私は永年、親しんできたが、かれこれ40年前、恐らく初めて読んだ「夕映え」という文章が今も忘れることができない。「空が燃えた。その色は、北の国で今も語られているという、ごつい大男が頻りに出て来る神話の中の、最も荘厳な場面にふさわしい赤さだった」と始まるその文章は、秋の日の夕映えの空に「詛いを浴びせかける色」や「戒めの表情」を見出だし、どす黒い夜が滲み込んで来る瞬間を「否応なしに経験しなければならない、強烈な魅力を持った恐怖」と表現していた。
深い陰影を湛えた個性的な表現は、私の様々な感覚を否応なしに覚醒させた。「セレナード」には、そうして私の中に生まれた心象風景の断片が託されている。曲は夕暮れ時の不穏な心理を象徴するような、揺れ動く楽想が全体を支配しているが、最後には、すっかり陽が暮れて再び心が落ち着いていく様子も感じ取って頂けるだろう。
この作品は当初、2つのサクソフォーンとピアノのための「セレナード」として作曲し、2003年に原ひとみ、栃尾克樹、奥平純子の諸氏による「トリオ・クリスタル・ピラミッド」の演奏会で初演された。ウィンド・オーケストラ版はこの室内楽曲に拠るもので、接続部分などに若干の変更箇所はあるが、8つの短い部分からなる構成はそのままである。
ウィンド・オーケストラ版初演後まもなく、ブレーン株式会社楽譜事業部長でもある畏友、荒野聡さんのご好意で同社のレンタル・コレクション(※)に加えて頂けることになり、これを機にオーケストレーションの不備を大幅に修正したことを書き添えておきたい。
(森田一浩)
※ブレーン・レンタル・コレクションは、2023/9/1より【ライセンス楽譜】に移行。