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楽曲詳細情報
- 作曲
- 飯島俊成(Toshinari Iijima)
- 演奏時間
- 9分40秒(約)
- グレード
- 5
- 主なソロパート
- Fl. / A.Fl. / B♭Cl. / Bsn. / Euph.
- Trp.最高音
- 1st:High B♭ / 2nd:F / 3rd:Es
- 編成
- 吹奏楽
楽器編成
- Piccolo (doub. Flute &Alto Flute)
- Flute 1 & 2 (div.)
- Oboe 1 & 2 (doub. English horn)
- Bassoon
- E♭Clarinet
- B♭Clarinet 1 , 2 & 3 (all div.)
- Bass Clarinet 1 & 2
- Soprano Saxophone
- Alto Saxophone 1 & 2 (all div.)
- Tenor Saxophone (div.)
- Baritone Saxophone (div.)
- Trumpet 1 (doub. Piccolo Trumpet)
- Trumpet 2,& 3
- Horn 1 , 2 , 3 & 4
- Trombone 1 & 2
- Trombone 3 (or Bass Trombone)
- Euphonium (div.)
- Tuba (div.)
- String Bass
- Piano
- Timpani
- Percussion ※5 players~
- Snare Drum
- Bass Drum
- Crash Cymbals
- Suspended Cymbal
- Tam-tam
- Wind Chime
- Bamboo Chime
- Shell Chime
- Anvil
- Glockenspiel
- Xylophone
- Vibraphone
- Marimba
- Tubular Bells
楽曲解説
2002年10月23日、モスクワで劇場占拠事件がありました。数十人のチェチェン独立派ゲリラがミュージカルを観ていた観客を中心に922人の人質を取り、故郷チェチェンからの撤退と、政治犯として投獄されている同朋たちの釈放を求めるという事件でした。もし治安当局との戦闘になれば、ロシア特殊精鋭部隊に対抗できるはずはなく全員殺される、しかしプーチン大統領が譲歩するとも思えない・・・、全員が殺されることを前提として、それでも、故郷チェチェンでロシアに殺された大切な人の復讐のため、今なお故郷で多くの命を奪いつつあるロシアに一矢でも報いたい、あるいは世界の人々に故郷の惨状を訴えたいと思ったのかもしれません。
劇場の中央には120キロの爆薬を仕掛け、ボタンを押せば劇場の建物は一瞬に崩壊し、自分達も、人質も、ロシア特殊部隊員も全員、死ぬ。起爆装置のボタンは一人の女性の手に委ねられたそうです。
26日、ロシア特殊部隊突入。ゲリラはほぼ全員射殺。起爆装置のボタンは押されませんでしたが、特殊部隊の使用したガスによって200人近い人質も命を落としました。
特殊部隊とゲリラの戦闘、その時、起爆装置を持った女性はいつでもボタンを押せた。でも押さなかった。
その時、彼女は何を想ったのか・・・
肉親を殺したロシア軍、ロシア人に対する憎しみは強かった筈、固い意志をもった同志であった筈、そうでなければ起爆装置をまかされることはなかったでしょう。
彼女は何故、ボタンを押さなかったんだろう。復讐の鬼になることを誓った、でも、何故、押さなかったんだろう?ボタンを押さずに、仲間と共に身体中に銃弾を浴びて死んだ。
いつでも押せたのに・・・・、押すことはいつでも出来たのに・・・・
何故?
殺戮は殺戮の連鎖しか生まない、憎しみは憎しみの連鎖しか生まない。もし、最期の瞬間、彼女の脳裏に肉親を殺された時の自分の哀しみが蘇えり、それが人質達の家族の嘆きと重なってボタンを押さなかったのなら・・・・
事件解決への方針、部隊突入に至るまでの経緯等、おそらくロシアは事実をありのままに公表してはないでしょうし、殺されたゲリラが証言することも出来ません。だから数十人のゲリラと200人の人質が死んだ経緯は永遠に闇の中。人質をとって立てこもるゲリラの行動は許されるものではないけれど、「戦争」として行われる一般市民の殺戮も許さることはありません。どこかで憎しみの連鎖を止めることが出来ていたら、こんな事件は起きなかった筈です。
「ねぇ、もう殺し合うことも、憎しみ合うことも止めようよ・・・・」
そう、想います。
(飯島俊成)
八戸ウィンドアンサンブル第20回定期演奏会委嘱作曲(2005)
指揮:飯島俊成












