宅配スコア閲覧
♪詳細情報♪
▼楽器編成▼
Flute 1 & 2
Oboe
Bassoon
B♭Clariet 1 , 2 & 3 (all div.)
Alto Clarinet
Bass Clarinet
Alto Saxophone 1 & 2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
Horn 1 & 2
Trombone 1 , 2 & 3
Euphonium
Tuba
String Bass
Percussion ※5 players~
Bass Drum
2 Tom-toms (low&medium)
Crash Cymbals
Suspended Cymbal
Tam-tam
2 Claves (high&low)
Tambourine
Cabasa
Xylophone
Vibraphone
♪楽曲解説♪
《水脈~エヴァーグレーズを讃えて》は、フロリダ吹奏楽指導者協会(Florida Bandmasters Association)の委嘱で2008年に作曲されました。
副題にある「エヴァーグレーズ The Everglades」は、フロリダ南部に位置する広大な亜熱帯の湿地帯で、その大半は世界遺産であるエヴァーグレーズ国立公園に含まれています。私は 2006年にこの湿地帯を訪れ、その広大な地域のほんの一部を見ることができましたが、それでもその豊かな自然、ユニークな動植物の姿、そしてそれらを育む水の力に大きな感銘を受けまし た。委嘱のお話をいただいた時すぐに、フロリダのために書くのならエヴァーグレーズを題材にした作品を、と考えついたほど、その印象は強いものだったのです。私は通常具体的な事象を 描写した作品を書かないのですが、この作品は数少ない例外のひとつとなりました。
曲全体は
「夜明け Dawn」「水源 Riverhead」「急流 Torrent」「自然賛美 Naturalism」
「野生 Wildlife」「エヴァーグレーズを讃えて Tribute to the Everglades」
とそれぞれ題された、切れ目なしに演奏される6つの部分から構成されています。冒頭に2組のクラベスが呈示する、自由に刻まれるリズムはこの作品の重要なモティーフのひとつで、 Naturalismの部分ではこのモティーフを含む「自由に演奏する」場面がいくつかの楽器に設定されています。また、多くの湖沼とそこに流れ込む川の流れは「水」を暗示する日本の伝統的な アイディアであり、歌舞伎などでしばしば用いられる、太鼓の連打で表現しました。
アメリカの高校生が演奏するための作品として委嘱されましたが、日本はもちろん、世界中のバンドに演奏していただき、この作品を通じてかけがえのない自然の素晴らしさにあらため て目を向けていただければ、と願っています。
(後藤 洋)