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編曲:田川伸一郎(Shin-ichirou Tagawa)
演奏時間:7分15秒(約)
グレード:4
調性:原調(D:)/アレンジ(E♭:)
主なソロパート:Fl.1 & 2 (duet) / B♭Cl.
Trp.最高音: 1st / G 2nd / F
最少演奏人数:24名
編成:吹奏楽(小編成)
▼楽器編成▼
Flute 1 & 2
Oboe (opt.)
Bassoon (opt.)
E♭Clarinet (opt.)
B♭Clarinet 1 , 2 & 3
Bass Clarinet
Alto Saxophone 1 & 2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
Horn 1 & 2
Trombone 1 & 2
Euphonium
Tuba
String Bass (opt.)
Snare Drum
Bass Drum
Crash Cymbals
Triangle
Marimba (opt.)
フランツ・フォン・スッペ(1819-1895)はオーストリアの作曲家で、「ウィンナ・オペレッタの父」として喜歌劇(オペレッタ)とその序曲で有名です。
スッペの音楽は、ウィーン風な優雅さと軽妙さ、そしてイタリア風の流麗な旋律美が特徴です。1864年にグラーツで初演されたこの喜歌劇『スペードの女王』は、実はスッペの喜歌劇第2作である「カルタ占いの女」(1862年)を改作したものです。ロシアの文豪プーシキンの戯曲に材を取っていますが、内容が軽いものであったため今日では殆ど上演されることが無く、軽快な序曲のみがよく取り上げられます。接続曲形式のこの曲にはスッペの特徴がよく出ており、特にフルートのデュエットで演奏される中間部や後半のカンカンの迫り上げは独特のものです。
この吹奏楽編曲は、2012年度、北海道木古内町立木古内中学校吹奏楽部(顧問:中條淳也先生)からの委嘱によるものです。 この楽譜による演奏で同吹奏楽部は2012年「第12回東日本学校吹奏楽大会」金賞を受賞しました。
【演奏時の編成】
Picc.(1) , Fl.(3), E♭Cl.(1), B♭Cl.(5), B.Cl.(1), A.Sax.(3), T.Sax(2), B.Sax.(1), Trp.(2), Fl.Hrn.(1), Hrn.(1), Trb.(2), Euph.(1), Tuba(1), Perc.(4) 計29名
小編成のスクールバンドでもこの名曲に親しみ且つ楽しんで頂く事を意図し、編曲の際には色彩感を損なわないオーケストレーション、必要以上の演奏上の困難回避にも留意しました。
またその他、下記の点に配慮しています。
◆原調は、ニ長調(D-dur)を基調としますが、吹奏楽で演奏しやすいよう半音上げて変ホ長調(Es-dur)を基調としました。途中の転調も変イ長調(As-dur)で、♯系の調への調号上の転調はありません。
◆オーボエ、バスーン、E♭クラリネット、コントラバス、マリンバのパートはなくとも演奏可能です。その場合を想定し、必要箇所にはCue楽譜を記してあります。
◆トランペット、ホルン、トロンボーンは、2パートで演奏可能です。
◆アーティキュレーションの難易度を下げるため、演奏効果に影響の無い範囲で原曲と異なるアーティキュレーションを指示している箇所があります。
◆20数名程度から演奏可能です。
多くのバンドが、優雅なウィーンの香りに浸りながら、演奏の喜びを味わっていただけることを祈ります。
なお、アレンジに際しては、KALMUS ORCHESTRA LIBRARYのHoward K.Wolf氏による校訂版管弦楽スコアを元にしております。
(田川伸一郎)