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♪詳細情報♪
編曲:中橋愛生(Yoshio Nakahashi)
演奏時間:7分40秒 (約)
グレード:5
調性:原調(A:-a:)
主なソロパート: B♭Clarinet
Trp.最高音:1st:Fis / 2nd:Fis / Cor1&2:A
編成:吹奏楽
▼楽器編成▼
Flute 1
Flute 2 (doub. Alto Flute)
Oboe 1
Oboe 2 (doub. English Horn)
Bassoon 1 & 2
E♭Clarinet
B♭Clarinet 1 , 2 , 3 , 4 , 5 & 6
Alto Clarinet
Bass Clarinet
Contra-alto Clarinet
Contrabass Clarinet (opt.)
Soprano Saxophone
Alto Saxophone 1 & 2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
Trumpet 1 & 2
Horn 1 , 2 , 3 & 4
Trombone 1 , 2 & 3
Euphonium (div.)
Tuba (div.)
String Bass
Percussion ※4 players~
Bass Drum
Crash Cymbals
Marimba
♪楽曲解説♪
有名な序曲「詩人と農夫」の作曲者として知られるオーストリアの作曲家フランツ・フォン・スッペ(1819-1895)は、父親がベルギー人、母親がウィーン生まれのイタリア人、親戚に有名な歌劇作曲家のドニゼッティがいるという家系に生まれ、幼い頃から音楽の才能を発揮しました。彼はウィーンのいくつかの歌劇場で楽長を務めていましたが、1858年にウィーンに紹介されたオッフェンバック(オペレッタの創始者とされる作曲家)の作品に刺激を受け、ウィンナ・オペレッタ(ウィーン・オペレッタとも呼ばれています)という新しいジャンルを創出し、その代表的な作曲家として名声を築いていきました。ウィンナ・ワルツを基盤にしながらも、声楽部分にはイタリア的な書法も取り込んだ、その流麗で優美な音楽は聴衆を魅了し、高い人気を得たのでした。
喜歌劇「軽騎兵」は、1866年に作曲・初演された3幕のオペレッタで、18世紀中頃の南ドイツを舞台に、華やかな軍人生活が描かれています。チャールダーシュが随所に盛り込まれた華麗な音楽が特徴となっていますが、とりわけ序曲は有名で、今日でもセミクラシック音楽の定番として、様々な編曲で広く演奏されています。
【吹奏楽版について】
スッペは数多くのオペレッタを作曲しましたが、その多くは演奏されることがほとんど無くなってしまっています。そんな中に今でもよく演奏される作品がいくつかあり、そのうちの1つが喜歌劇「軽騎兵」の序曲です。
カール=コスタの台本による2幕から成るこのオペレッタは、1866年に書かれたもので、軍人とその周辺の生活を愉快に描いたものであると言われていますが、現在ではそのオペレッタ全体の楽譜は残っていません。しかし、オペレッタの主要な旋律を用いて構成されている序曲だけは、現在でもよく演奏されており、様々な折に耳にすることができます。
その管弦楽のスコアを吹奏楽で演奏できるようにしたこの編曲は、陸上自衛隊中央音楽隊の委嘱により2003年3月に作成されたもので、同年7月に同隊の沖縄公演にて初演されました。
管弦楽のいわゆる「マスターピース」を吹奏楽へ編曲して演奏する機会は様々ですが、従来の編曲版は中規模の編成・中庸な難易度を想定しているものがほとんどで、小編成・初級バンドには演奏困難で、大編成・上級バンドには物足りないものが多くあります。
「軽騎兵」序曲も様々な編曲版がありますが、今回は敢えて大編成・上級バンドによる演奏を想定して書きました。それだけに演奏は他の版より比較的大変ですが、それに見合う効果があると思います。有名曲だけに、バンドの力量に合わせたスコアを使用するのも大事なことではないでしょうか。
(中橋愛生)