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ピアノ協奏曲としての性質をもつ原作から独奏楽器を取り払い、合奏だけで作品の魅力の再現に挑んだ編曲。

パガニーニの主題による狂詩曲/S.ラフマニノフ(森田一浩)【吹奏楽ライセンス楽譜】

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商品コード
YDAR-D01
メーカー
ブレーンミュージック / Brain Music
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楽曲詳細情報

作曲
セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff)
編曲
森田一浩(Kazuhiro Morita)
演奏時間
9分40秒(約)
グレード
5
調性
原調(a:)
主なソロパート
Ob. / B♭Cl.
Trp.最高音
1st:A / 2nd:A / 3rd:E
編成
吹奏楽

楽器編成

    • Piccolo (doub. Flute 3)
    • Flute 1 & 2
    • Oboe 1& 2
    • Bassoon 1 & 2
    • E♭Clarinet
    • B♭Clarinet 1 & 2 (all div.)
    • Alto Clarinet
    • Bass Clarinet
    • Contrabass Clarinet
    • Soprano Saxophone
    • Alto Saxophone 1 & 2
    • Tenor Saxophone
    • Baritone Saxophone
    • Trumpet 1 (div.), 2 & 3
    • Horn 1 , 2 , 3 & 4
    • Trombone 1 & 2
    • Bass Trombone
    • Euphonium (div.)
    • Tuba (div.)
    • St.Bass
    • Harp
    • Timpani
    • Percusssion ※5 players~
      Snare Drum
      Bass Drum
      Crash Cymbals
      Triangle
      Glockenspiel
      Xylophone
      Vibraphone

楽曲解説

セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)は、幼い頃からピアニストとしての才能を現し、チャイコフスキーを始めとするロシア・ロマン派の音楽の影響を強く受けながら、名ピアニスト及び作曲家として活動し、有名なピアノ協奏曲第2番に代表される、ロシア的な濃密なロマン性を湛えた音楽を数多く作曲しました。

「パガニーニの主題による狂詩曲」(作品43)は、実質的にはピアノ協奏曲と考えられる作品で、1934年にスイスで完成、同年アメリカのボルティモアで、作曲者自身のピアノで初演されています。主題に使われているのは、天才ヴァイオリン奏者として知られたパガニーニ(1782-1840)が1805年頃に発表した無伴奏ヴァイオリンのための「24の奇想曲」(作品1)中の第24曲ですが、この曲は、リストやブラームスといったロマン派の大作曲家から近代・現代の作曲家に至るまで、様々な作曲家の創作意欲を駆り立てることになり、数多くの名作が生まれています。

ラフマニノフは、そういった歴史的な位置づけを十分承知しながら、さらにもうひとつ、同じく数多くの作曲家が用いてきた、中世に起源を発する主題「ディエス・イレ(怒りの日)」を第2主題に用いることで、挑戦的であると同時に独創的な変奏曲を構想したのでした。甘く切ない第18変奏は特に有名で、映画やドラマで度々使われ、だれもが耳にしたことのある音楽となっています。

【吹奏楽版について】
1934年に作曲された「パガニーニの主題による狂詩曲」は、音楽的には十分に近代的ではあるのですが、ルトスワフスキやブラッハー作品ほど現代的でもなく、作曲者独特のロマンティシズムにあふれ、数ある「パガニーニ変奏曲」の中では最も広く知られた作品です。

オリジナルはピアノ協奏曲のスタイルで書かれた主題と24の変奏からなりますが、この吹奏楽のための編曲は、主題と第1変奏(“先行変奏”として主題の前に置かれている)、第8変奏、第10変奏、第12変奏、第13変奏、第14変奏、第18変奏、第24変奏(コーダを含む)を抜粋したものです。

編曲を提案した埼玉県立伊奈学園総合高等学校の宇畑知樹先生も、ピアノ協奏曲が吹奏楽曲として成立するのかどうか、初めは半信半疑であったと思います。それは編曲者の私も同様で、オーケストラ・スコアを改めて見るまでもなく、編曲作業には多くの困難が予測されました。しかし、協奏曲の独奏楽器を取り払い、合奏だけで作品の魅力を再現しようという、ある意味では無謀な試みに敢えて挑戦したのは、宇畑先生が「この曲が頭から離れない」と言った、その一言が決め手だったのです。「人の心を虜にする作品」がどういうものなのか、編曲家としてではなく、作曲家として私は、この作品を題材にもう一度考えてみたいと思いました。

演奏にあたっては、オリジナルのピアノ・パートがどこにあるかを探す必要はまったくありません。それが明確に見える部分もありますが、多くは音楽の中に溶け込んで、元のかたちは失われています。それがこの編曲のねらいでもあるのです。オリジナルはどう書かれているか、ということよりも、吹奏楽でどういう響きを目指しているのかを読み取ってください。

(森田一浩)