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♪詳細情報♪
編曲:宍倉 晃(Koh Shishikura)
演奏時間:13分00秒 (約)
グレード:5
主なソロパート:Fl. / Ob. / Bsn. / B♭Cl. / A.Sax.
Trp.最高音:1st:high C / 2nd:G / 3rd:Es
編成:吹奏楽
▼楽器編成▼
1st Flute
2nd Flute (div.)
1st & 2nd Oboes
1st & 2nd Bassoons
Clarinet in E♭
1st Clarinet in B♭(div.)
2nd Clarinet in B♭(div.)
3rd Clarinet in B♭(div.)
Bass Clarinet
Soprano Saxophone
1st Alto Saxophone
2nd Alto Saxophone
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
3rd Trumpet (div.)
1st & 2nd Horns in F
3rd & 4th Horns in F
1st & 2nd Trombones
3rd Trombone
Euphonium (div.)
Tuba (div.)
String Bass
Celesta
Harp
Female Chorus (opt.)
1st Percussion
Bass Drum
Antique Cymbals
Sleigh Bell
2nd Percussion
Castanet
Tam-Tam
Tam-Tam (or Temple's Bell)
Glockenspiel
Chimes
3rd Percussion
Crotale
Rain Maker
Vibraphone
4th Percussion
Marimba
Chimes
5th Percussion
Suspended Cymbal
Small Gong
Wind Chime
♪楽曲解説♪
「ラ・ボエーム」「トスカ」によって成功をおさめたプッチーニは新たなオペラの題材を探していました。「トスカ」のイギリス公演の稽古に立ち会うために渡英したプッチーニは当時評判だった芝居「蝶々夫人」を観に行き、その中で彼の理想とするヒロイン像を見出し、帰国するなりこの「蝶々夫人」の作曲に取りかかり、1904年に完成されました。しかしミラノで初演された際にはクラシック音楽史上まれに見る大失敗に終わりました。その後指揮者のトスカニーニの忠告を聞き入れ改訂され、3ヶ月後の再演で成功をおさめました。
舞台は明治初年頃の長崎。米軍海軍士官F.B.ピンカートンはアメリカ領事のシャープレスの反対を押し切り日本人の15歳の娘、蝶々さんと結婚します。その後蝶々さんは帰国したピンカートンを3年間待ち続けましたが、再びピンカートンが現れた時には彼にはアメリカ人の妻がおり、彼との間に子供が生まれていた蝶々さんは絶望のあまり自らの命を絶ってしまいます。
この悲劇の物語にプッチーニは日本の民謡や旋律を取り入れ異国情緒あふれる音楽を作曲しました。第2幕で蝶々さんによって歌われる「ある晴れた日に」はソプラノの名歌として普遍的な存在となっています。
この編曲版はオペラ冒頭の東洋風の劇的な音楽で始まります。
練習番号5に「ある晴れた日に」の旋律がオーボエによって一瞬奏でられ、やがて蝶々さんの悲劇を現すかのように深く悲しい旋律に繋がっていきます。練習番号6は蝶々さんが友人たちに連れられて結婚式に現れるシーンの音楽で、透明感のある極上の音楽が聴こえてきます。練習番号9からは複数のテンポの速い部分をつないでおり、「高い山から谷底見れば」「宮さん 宮さん」「越後獅子」などの日本の旋律が現れます。
練習番号20からはピンカートン、シャープレス、蝶々さんの付き人のスズキによって歌われる3重唱で、蝶々さんの子供をピンカートンとアメリカ人の妻とで育てる事をスズキに伝えるシーン。この音楽は大変感銘深く、プッチーニらしい朗々たる旋律が奏でられます。
そして練習番号22からは蝶々さんとピンカートンによる長大な愛の2重唱の終結部。3年前に結婚した時の幸せの絶頂を現すプッチーニの真骨頂とも言うべき美しい音楽で、再び「ある晴れた日に」の旋律が壮大に歌われ劇的なエンディングを迎えます。
日本情緒とプッチーニの甘く切ない、情感溢れる美しいオペラの世界をお楽しみ下さい。