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楽曲詳細情報
- 作曲
- グスタヴ・ホルスト(Gustav Holst)
- 編曲
- 建部知弘(Tomohiro Tatebe)
- 演奏時間
- 7分30秒 (約)
- グレード
- 5
- 調性
- 原調
- 主なソロパート
- Euph.
- Trp.最高音
- 1st:As / 2nd:F / 3rd:As / 4th:D
- 編成
- 吹奏楽
- Piccolo 1 & 2
- Flute 1 , 2 & 3
- Oboe 1 & 2
- English Horn
- Bassoon 1 & 2
- Contra Bassoon
- E♭Clarinet
- (doub. Solo B♭Clarinet 3)
- Solo B♭Clarinet 1 & 2
- B♭Clarinet 1 & 2 (all div.)
- Alto Clarinet
- Bass Clarinet
- Contra-alto Clarinet
- Soprano Saxophone
- Alto Saxophone 1 & 2
- Tenor Saxophone
- Baritone Saxophone
- Trumpet 1 , 2 , 3 & 4
- Cornet 1 & 2
- Horn 1 , 2 , 3 , 4 , 5 & 6
- Trombone 1 & 2
- Bass Trombone
- Euphonium (div.)
- Solo Tuba
- Tuba (div.)
- String Bass
- Harp
- (doub. Organ)
- Timpani 1 & 2
- Percussion ※5 players~
- Side Drum
- Bass Drum
- Crash Cymbals
- Suspended Cymbal
- Gong
- 2 Marimba
楽器編成
楽曲解説
作曲者のグスターヴ・ホルスト(1874-1934)はL.ヴォーン・ウィリアムズなどとともに近代イギリスを代表する作曲家の1人で吹奏楽作品にもミリタリー・バンドのための組曲の1番、2番など重要なレパートリーを残しています。作品数としてはそれほど多くはありませんが当時としてはかなり大胆な和声的実験を試みたりしています。
この、組曲『惑星』は6声部の女声合唱を伴うかなり規模の大きな4管編成と弦楽5部で書かれています。そのため以前は演奏される事自体が少なく音源も限られていましたが、近年はCM等に取り上げられたりしたこともあって一挙にポピュラーな存在となりました。「火星」はこの組曲の第1曲にあたります。
各楽章には惑星の名前とそれを象徴するような副題が付いていますが作曲者のホルスト自身は表題音楽ではなくこの曲を理解する上の一つの手掛かりと考えるように生前語っています。
《演奏上の注意点》
〈戦争をもたらす者〉という副題を暗示するような5/4拍子の不気味なオスティナートが全体を支配しています。特に冒頭のG音による弦楽器のコル・レーニョ奏法(col legno -弦楽器の特殊奏法で弓の木の部分で弦を叩いて奏する)は弦楽器ならではの効果をあげている部分です。その部分をこの編曲では金属楽器のベルを叩いたり木管のキー・ノイズ等に置き換えました。打楽器にもwith Brushの指示がありますが、いわゆるセット・ドラム等で使うブラシではなく広義でのブラシ状のものと考えて素材を工夫してみてください。
現在、この手のビーターは専門店で入手できますが少し大き過ぎるのでオーケストラの原曲を聴いて最も効果的と思われるものを選択してください。また、原曲では冒頭と中間部以外の強弱記号がf中心で記述がとても少なく、これを欠落と考えることも出来ますが、音楽の性質上あえて作曲者がそうしたのではないかと私は考えます。演奏上のヒントとして少し加筆した部分もありますがほぼ原曲の強弱記号によっています。とはいえ、オーケストレーションも厚くダイナミック・レンジも広い吹奏楽編成ですから、強弱記号は相対的なもの、音楽のエネルギーを表すものとしてバランスには留意してください。全体的には前作の「木星」とほぼ同様の編成とコンセプトで編曲されています。
(建部知弘)