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♪詳細情報♪
♪楽曲解説♪
1998年、京都府立商業高等学校(現:京都すばる高等学校)吹奏楽部 第10回定期演奏会記念委嘱作品として書かれた作品。作曲者自身指揮の同バンドの伴奏、牛上隆司氏の独奏で初演される。作曲者の櫛田てつ之扶氏は《飛鳥》や《火の伝説》など、出身地である京都や奈良の伝統的日本文化やその精神的風土を題材に創作を続けている。
この《風のらぷそでぃ》も、日本人の繊細な感性を描いたもので、ユーフォニアムの意外な側面の魅力を引き出した名曲としてこの楽器の貴重なレパートリーになることは間違いない。
(佐伯茂樹)
《風のらぷそでぃ》に寄せて
「日本の感性を音で示す」日本人の私が思うこのごく当たり前のことをコンセプトとして作曲を続けています。私にとってはすごく日常的なのです。こだわりはありますが気負いはありません。そしてそのとき、いつも花鳥風月を描くことも忘れないでいます。つまり私の作品は、日本人の感性を花鳥風月に託して書き上げるということで出来ています。
この曲も、題名どおり「風」に託して日本人の感性を描いた曲の1つです。クラリネットと吹奏楽のための《風のかたらひ》と同様に、日本の回遊式の庭(龍安寺の石庭のように一定の場所から庭をじっと見つめるのではなく、池の周りの園路を巡りながら庭の景色の美しさに触れる銀閣寺や天龍寺の庭園のように)を歩きながら、吹くかぜに想いをこらしたり、ふとわれに返ったり、大げさに人生を考えてみたり、といったことを随筆として書いています。合奏の合間にカデンツァのソロを配置するという手法を今回も使っています。
合奏が「庭園・風」を表して、独奏がそれに答える「心」であるとも云えます。ユーフォニアムのソロのフレーズには、一音を深く考える禅の思想が聞こえると思います。対する合奏は、自然の持つ自由な姿を自由な発想と捉えています。その2つの対比と自由な発想からの奔放さを「らぷそでぃ」と名付けています。庭園を巡りながら「自分の心を音で表す」といった風景を捉えて欲しいと思います。
(櫛田てつ之扶)