そして雲井氏の熱い思いがほとばしる熱演
「アルト・サクソフォーン協奏曲」をカップリングした強力盤!
この3月に行われた「JWECC(日本管楽合奏指揮者会議)2010」より、全日本吹奏楽コンクールでも取り上げられるなど日本での人気が高まっているアメリカの作曲家デイヴィッド・マスランカの委嘱初演「リベレーション」、そして日本初演となる「アルト・サクソフォーン協奏曲」をカップリングしたCD。
「リベレーション」は日本の15の団体・個人による共同委嘱作品で、吹奏楽と合唱のための作品となっている。
他のマスランカ作品同様、宗教色の強い作品で、グレゴリオ聖歌を元にした、荘厳かつ力強く、そして心が震えるほどの美しさを併せ持った傑作に仕上がった。
「アルト・サクソフォーンとウィンド・アンサンブルのための協奏曲」は、約40分にもおよぶ大作。
こちらも宗教色の強いドラマチックな作品に仕上がっており、サクソフォーン奏者は必聴の作品だと言える。
今回のJWECCでの本邦初演は、マスランカ作品に造詣の深い雲井雅人氏がソリストを努めており、作品への熱い思いがこもったその演奏も聴き逃せない。
ちなみにこの「アルト・サクソフォーンとウィンド・アンサンブルのための協奏曲」の楽譜はアメリカ:Carl Fisherからレンタルされている。
マスランカって何?なんだか試聴を聴いても得体が知れないんだけど・・・
このページを開いた方は少なからず「マスランカ」に興味を持った方だと思いますが、
そもそも「マスランカ」って何だ?どこかで聞いたことのある名前のような・・・
そう、そのぐらいでOKです!!
アメリカではもう随分と前から大人気の作曲家となっている「マスランカ」の名前が
全日本吹奏楽コンクール全国大会に現れたのは2009年。
福岡教育大学吹奏楽部が演奏した「我らに今日の糧を与えたまえ」が最初です。
まだあれから1年も経っていないのですから、知らない人のほうが多いっちゃあ多いわけです。
雲井雅人サックス四重奏団や昭和ウィンド・シンフォニー、
そしてJWECCなどでは取り上げられて来ましたが日本ではまだまだ流行っているとは言えず、
今まさにこれから日本を席巻しようというところだと思います。
だからマスランカのことを知らなくてもOK。
ただ全米が認めるその音楽の素晴らしさは、体験しないのは損です。
そしてこれから日本中でブームが巻き起こるかもしれない作曲家の作品ですから、ぜひ先取りしていただきたいですね。
僕もマスランカを初めて聴いたのは結構遅くて、
ノーステキサス&コーポロンのCDに入っていた「交響曲第7番」からだったんですが、
あのときの衝撃は忘れられません。
それからというものしばらくマスランカ作品を聴きあさったもんです。
宗教作品をモチーフとしながらも人間のもつ様々な感情が込められたような、
時に透き通るように清らかで、
時に聴き手に襲いかかるように激しいドラマチックな音楽が展開されていく、
そんな彼の作品を聴くたびに、「ああ出会えてよかったなあ」と思います。
そして再び目の前に現れたマスランカの新作「リベレーション」。
これが日本からの共同委嘱作品だというから聴かないわけには行きません。
マスランカから日本へのメッセージも込められた作品の世界初演、ぜひ聴いてみてください。
「リベレーション」も「アルト・サクソフォーンとウィンド・アンサンブルのための協奏曲」も曲が長いので
45秒の試聴だけではこちらも伝えきれませんが、少しでも「オッ」と思われたならぜひ全曲を聴いてみてください。
めくるめく新世界があなたを待っているはずです!
演奏データ
指揮:楊 鴻泰(1)、仲田 守(2-6)
演奏:JWECCスペシャルバンド(1)、名古屋アカデミックウィンズ(2-6)
サクソフォーン:雲井雅人(2-6)
収録:2010.3.14 愛知県岡崎市民会館にてライヴ収録
収録曲
作曲:デイヴィッド・マスランカ(David Maslanka)