♪詳細情報♪
演奏時間:13分00秒 (短縮版 9分00秒)(約)
グレード:6
編成:吹奏楽
主なソロパートPicc. E♭Cl. Roto-tom
販売形態:販売楽譜(スコア+パート譜)
▼楽器編成▼
Flutes 2 also Alto Flute in G
Piccolo
Oboe 1
Oboe 2
Bassoon 1
Bassoon 2
Clarinet in E♭
Clarinets in B♭ 1
Clarinets in B♭ 2
Clarinets in B♭ 3
Alto Clarinet in E♭
Bass Clarinet in B♭
Contrabass Clarinet in B♭
Soprano Saxophone in B♭
Alto Saxophone in E♭ 1
Alto Saxophone in E♭ 2
Tenor Saxophone in B♭ 1
Tenor Saxophone in B♭ 2
Baritone Saxophone in E♭
Bass Saxophone in B♭
Horns in F 3, 4
Trumpet in B♭ 1
Trumpet in B♭ 2
Trumpet in B♭ 3
Trombone 1, 2
Trombone 3 &
Bass Trombone
Euphoniums
Tubas
String Bass
Piano Harp
(optional Synthesizer)
Percussion 1
Tambourine and
(or) Sleigh bells
Bell tree
3 Toms
Tam-tam
Cymbals
Suspended Cymbal
Vibraphone
Glockenspiel
Marimba
♪楽曲解説♪
2011年7月18日、洗足学園音楽大学グリーン・タイ ウィンド・アンサンブル(指揮:ダグラス・ボストック)により初演。この年の3月に起きた東日本大震災の衝撃は大きく、そのころは、どうやって作曲の筆を、音楽を紡ぎだしていったらよいものかと悩んだ。
3月下旬になり、福島からツイッターでおびただしい詩を発信し続けている詩人・和合亮一さんを知り、次から次へと歌曲を作曲していった。その中で、4月22日に歌曲「明けない夜は無い」を作曲した。この言葉は、和合さんが震災を目の当たりしつつ言葉を発していってたどり着いた1つのメッセージであると思う。この歌曲をもとにして作曲したのがこの吹奏楽曲「明けない夜は無い」である。
初演時のプログラムを引く。
この歳になって「実験」的な作品を書くのもどうかと思うのだが、音楽を能動的に聴く、というよりも、受動的に音あるいは音響にひたるような作品をかいてみようと思った。
絵画を見たくなければ目を閉じればいい。しかし音楽は耳を塞いだところで聞こえてくる。音楽は、自ら行動を起こして聴かなくても、聞こえてくるものなのだ。(ゆえに学生諸君、練習とは言え無闇にキタナイ音を出したら甚だ迷惑なのだよ。)
普段ならば、私は音楽を能動的に聴く。分析しながら聴く。メロディーの絡み合いを味わいながら聴く。そういうことを一切排除して、ただただ虚無の状態で音を「聞こえて」みたらどんなものだろう。
そこでこの曲には、メロディーが出てこない。震災後、福島からツィッターでおびただしい詩を発信し続けている詩人・和合亮一氏の詩をもとに、4月に作曲した歌曲「明けない夜は無い」の和声部分のみを抽出し(歌曲とは関係なく、)その和声色彩のみで曲を作った。(初演プログラム/伊藤康英)
同年10月16日にはウルム交響吹奏楽団によりドイツ初演(指揮:ダグラス・ボストック)。その後改訂版を作り、同年12月16日には、シンガポールのフィルハーモニック・ウィンズ(指揮:ダグラス・ボストック)により改訂版初演。改訂版は、初演版に少し手を入れたとともに、冒頭と最後を加筆したもの。もともと9分程度の作品が、改訂により13分ほどの作品となっている。
演奏に際しては、改訂前の短い版での演奏も可能である。その際は、第19小節より演奏を開始し、第175小節で終わる。なお、156小節からの「da lontano (o banda)」と書かれているトランペット・パートは、オフ・ステージでの演奏。もし不可能の場合は、シンセサイザー(トランペットのサウンドである必要はなく、むしろ、オルガンのようなサウンドを推奨)にて演奏する。