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(演奏:海上自衛隊大湊音楽隊)
ご縁あって海上自衛隊大湊音楽隊より委嘱をいただき1986年に作曲したのが、『抒情的「祭」』だった。青森の民謡を素材にした親しみやすい作品を、とのことで、津軽じょんから節、津軽あいや節、ホーハイ節、そして弘前ねぷた祭りを用いて、6分の作品に作り上げた。日本の素材を用いながらも、西洋の作曲技法を使っており、それぞれのメロディーが関連し合って展開される。この旧作が、いまでもさまざまな場面で愛されていることを嬉しく思うと共に、感謝の念に堪えない。そしてちょうど30年の時が過ぎた今、同じ素材を使って新たな作品を使ったらどうなるだろうか、と、改めて委嘱をいただき作曲。本年9月1日に完成。
当時は、提供されたごくわずかな資料をもとに作曲したが、時が流れ、情報が豊富で入手も容易となった。吹奏楽のレベルも全国的に、世界的に向上してきている。そこで、以前より本格的な、そしてある意味「日本的」な作品に仕上がったと思う。用いた素材を少し解説しておく。これらのメロディーがこの順に現れる。
津軽じょんから節曲弾六段(きょくびきろくだん) さまざまな流派のものを参考にしつつ再構成した。この中の一段と四段をそのまま用いつつ、独自に作り上げた四つの段が展開する。
津軽あいや節 実際には、あいや節ではなく、津軽三下りのリズムとなっている。この部分では、3年前に作曲した「津軽三味線協奏曲」を一部引用した。
ホーハイ節 高校の音楽教科書(音楽之友社)所収のメロディー・ラインに依った。最近の音楽教科書は、しっかりと原典を探り、比較的正確に採譜されている。
青森ねぶた この笛は、実際に使われているメロディー・ラインを参考にした。
この4つが大きな柱となっている一方で、大湊ねぶた、八戸三社大祭のメロディーも随所に見え隠れする。 青森の夏の夜に、ねぶたは煌めく。冬が厳しいからこその祭りの熱さを感じる。そんな情景を描けたかと思う。
(伊藤康英・作品解説より抜粋)
(演奏:海上自衛隊大湊音楽隊)
Oboe
Bassoon
Clarinet in Eb (optional)
Clarinets in Bb 1
Clarinets in Bb 2, 3
Bass Clarinet in Bb
Alto Saxophones in Eb
Tenor Saxophone in Bb
Baritone Saxophone in Eb
Horns in F 3, 4
Trumpets in Bb 1
Trumpets in Bb 2, 3
Trombones 1, 2
Trombones 3
Euphoniums
Tubas
String Basses
【Percussion 1】
Cabaca
Cymbals
2 Temple Blocks
2 Suspended Cymbals (large and normal)
Bass Drum
Tam
【Percussion 2】
Wood Block
Flexatone
Bamboo Chime
Suspended Cymbal
Sleigh Bells
2 Toms
Bass Drum(or ねぶた太鼓、和太鼓)*
Tam
【Percussion 3】
Xylophone
Marimba
Vibraphone
チャンチキ
Sleigh Bells
手平鉦 (手振り鉦) **
** 6インチくらいのシンバルでも可。
ご縁あって海上自衛隊大湊音楽隊より委嘱をいただき1986年に作曲したのが、『抒情的「祭」』だった。青森の民謡を素材にした親しみやすい作品を、とのことで、津軽じょんから節、津軽あいや節、ホーハイ節、そして弘前ねぷた祭りを用いて、6分の作品に作り上げた。日本の素材を用いながらも、西洋の作曲技法を使っており、それぞれのメロディーが関連し合って展開される。この旧作が、いまでもさまざまな場面で愛されていることを嬉しく思うと共に、感謝の念に堪えない。
そしてちょうど30年の時が過ぎた今、同じ素材を使って新たな作品を使ったらどうなるだろうか、と、改めて委嘱をいただき作曲。本年9月1日に完成。
当時は、提供されたごくわずかな資料をもとに作曲したが、時が流れ、情報が豊富で入手も容易となった。吹奏楽のレベルも全国的に、世界的に向上してきている。そこで、以前より本格的な、そしてある意味「日本的」な作品に仕上がったと思う。用いた素材を少し解説しておく。これらのメロディーがこの順に現れる。
津軽じょんから節曲弾六段(きょくびきろくだん) さまざまな流派のものを参考にしつつ再構成した。この中の一段と四段をそのまま用いつつ、独自に作り上げた四つの段が展開する。
津軽あいや節 実際には、あいや節ではなく、津軽三下りのリズムとなっている。この部分では、3年前に作曲した「津軽三味線協奏曲」を一部引用した。
ホーハイ節 高校の音楽教科書(音楽之友社)所収のメロディー・ラインに依った。最近の音楽教科書は、しっかりと原典を探り、比較的正確に採譜されている。
青森ねぶた この笛は、実際に使われているメロディー・ラインを参考にした。
この4つが大きな柱となっている一方で、大湊ねぶた、八戸三社大祭のメロディーも随所に見え隠れする。 青森の夏の夜に、ねぶたは煌めく。冬が厳しいからこその祭りの熱さを感じる。そんな情景を描けたかと思う。
(伊藤康英・作品解説より抜粋)