コルネット（トランペット）&ピアノ：コルネット・コンチェルト／エドワード・グレグソン【ソロ輸入楽譜】

作曲：エドワード・グレグソン(Edward Gregson)
演奏時間：17:00（約）
編成：コルネット（トランペット）&ピアノ
楽曲構成：全3楽章
第1楽章：ソナタ
第2楽章：間奏曲（より遠い記憶より）
第3楽章：ロンド

Cornet (or Trumpet), Piano

「コルネット協奏曲」は、イギリスの名門ブラスバンド「ブラック・ダイク・バンド」が、その首席コルネット奏者リチャード・マーシャルのためにエドワード・グレグソンに委嘱した作品です。
初演は2016年4月30日、フランス・リールで開催されたヨーロピアン・ブラスバンド・フェスティバルのガラ・コンサートにて、同バンドとリチャード・マーシャルによって行われ、指揮はニコラス・チャイルズが務めました。
この作品は、およそ17分にわたる3楽章構成で、音楽的・技術的に非常に高度な内容を持ち、コルネットの多彩な表現力を最大限に活かしています。
第1楽章は「ソナタ」と題されており、カデンツァ、速くリズミカルな動機、ビューグル風の呼びかけ、そして切なく歌うような旋律という4つの異なる音楽的要素が登場します。これらが交互に現れながら、いわゆる形式的なソナタ形式というよりも、本来の意味である「共に響き合う音楽」として構成されています。
第2楽章は「間奏曲（より遠い記憶より）」と名付けられたもので、テーマを探し求めるように始まり、最終的にそのテーマが楽章の終盤で姿を現します。この中間部には、作曲者が青春時代に親しんだ、スウェーデン系アメリカ人作曲家エリック・ライゼンによる救世軍のためのコルネット・ソロの短い引用が巧妙に織り込まれており、それは模倣ではなく、思い出への敬意として使われています。
そして現れるメインテーマは、グレグソンの過去の作品『Of Distant Memories』を思わせる懐かしさを湛えた旋律となっています。
第3楽章は、3つの中で最も短く、ロンド形式による活発で軽快なスケルツォです。主題は分散和音が流れるように展開し、そこに歌うような第二の旋律が絡み合う構造となっています。
ソロとバンドの掛け合いが印象的で、音楽が進むにつれて冒頭のカデンツァが再登場し、最後は華やかで勢いのあるコーダで締めくくられます。
この協奏曲は、グレグソン自身の音楽的記憶や敬愛する作品へのオマージュを込めながら、現代的で洗練された技法を用いて描かれた、コルネットの魅力を余すところなく伝える作品です。