作曲：フランシス・プーランク(Francis Poulenc)
演奏時間：2:00（約）
編成：無伴奏フルート

Flute

《廃墟を見守る笛吹の像 （Un Joueur De Flute Berce Les Ruines）》は、1942年に作曲されたとされる作品です。
タイトルの「廃墟をあやす」という表現には、荒廃した世界の中で笛の音が静かに慰めを与えているようなイメージが込められています
。 この曲については、発見された自筆譜以外に詳しい情報がほとんど残されておらず、その背景や作曲の経緯なども不明な点が多い作品です。
音楽のスタイルとしてはモーダル（旋法的）で、哀愁を帯びた雰囲気が特徴的です。その旋律の運びや、無駄のない簡素な構成は、作曲家の初期作品を思わせるものがあります。
この曲はたった13小節しかなく、構造もシンプルですが、その中にははっきりとした美しさが感じられ、聴く者の心に深く染み入るような魅力を持っています。
規模は小さいながらも、この曲はソロ・フルートのレパートリーにおいて重要な作品とされており、その抒情的で静かな世界観は、多くのフルート奏者にとって貴重な表現の場となっています。