あの馴染みのリズムはどこへやら、サンバの熱狂的なグルーヴに乗せた大胆アレンジをどうぞ。

楽曲詳細情報
- 作曲
- モーリス・ラヴェル (Maurice Ravel)
- 編曲
- 岩井直溥(Naohiro Iwai)
- 演奏時間
- 9分00秒 (約)
- グレード
- --
- 主なソロパート
- Fl. / Ob.& B♭Cl. / B♭Cl. / A.Sax. / T.Sax. / Trp. / Trb.& Euph.
- Trp.最高音
- 1st:High H / 2nd:As / 3rd:Ges / 4th:C
- 編成
- 吹奏楽
- 販売形態
- 販売楽譜(スコア+パート譜)
楽器編成
- Piccolo
- 1st & 2nd Flutes
- Oboe
- 1st & 2nd Bassoons
- Clarinet in E♭
- 1st Clarinet in B♭(div.)
- 2nd Clarinet in B♭(div.)
- 3rd Clarinet in B♭(div.)
- Bass Clarinet in B♭
- 1st & 2nd Alto Saxophones
- 1st & 2nd Tenor Saxophones
- Baritone Saxophone
- 1st & 2nd Trumpets
- 3rd & 4th Trumpets
- 1st & 2nd Horns
- 3rd & 4th Horns
- 1st & 2nd Trombones
- 3rd & 4th Trombones
- Euphonium (div.)
- Tuba
- Electric Bass Guitar
- Electric Guitar
- Drums
- Suspended Cymbal
- Triangle / 鈴
- Castanets / Claves
- Timbales
- Conga / Bongo
- Guiro / Cabasa
- Cowbell
- Glockenspiel
- Xylophone / Marimba
楽曲解説
1970年から95年まで、全日本吹奏楽コンクールには「5出5金」制度があった。「5年連続」で全国大会に出場し、そのすべてが「金賞」だった場合、6年目は出場を休まされる。そのかわり、全国大会のステージで、20~30分で自由なプログラムによる「特別招待演奏」の場が与えられたのである。毎年、これを目当てに会場に詰めかけるファンもいたものだ。
名門・駒澤大学吹奏楽部は、1970~75年、1977~81年の2回「5出5金」を達成しているが、2度目の招待演奏(1982年)のために岩井が書き下ろしたのが、本曲である。原曲はいうまでもなく、モーリス・ラヴェル(1875~1937)による管弦楽曲で、たった2つの旋律が繰り返されながらクレシェンドしていく名曲だ。
そしてこれこそ、岩井アレンジの真骨頂。よく聴くと、単にクレシェンドで興奮させているのでなく、たくさんのオブリガートや飾りの音符で曲を盛り上げていることがわかるはずだ。見事としかいいようがないアレンジで、ラヴェルの原曲よりも感動するのではないか。
私は、昔、ある中級レベルの学校吹奏楽部が、本曲を演奏しているのを聴いて、驚いたことがある。これが昨日までの、あのバンドなのか。みんな生き生きと、楽しそうに、見事な響きで演奏していた。客席の盛り上がりもすごかった。本CDの演奏でも、会場全体が幸せな空気に包まれている様子が感じられると思う。これが、演奏者も聴衆も一変させてしまう岩井アレンジの「マジック」なのだ。
(富樫鉄火 -【CD】岩井直溥コレクション vol.1 解説より抜粋)