クラリネット、チェロ&ピアノ：トリオ・ニ短調・Op.3／アレクサンダー・ツェムリンスキー【アンサンブル輸入楽譜】

作曲：アレクサンダー・ツェムリンスキー(Alexander Zemlinsky)
編成：クラリネット、チェロ&ピアノ
編集：ドミニク・フレーマ (Dominik Rahmer)

Clarinet（Violin）,Cello, Piano

アレクサンダー・ツェムリンスキー（Alexander Zemlinsky）は、豊かな後期ロマン派のオーケストレーションによるオペラや歌曲で知られていますが、彼の初期の代表作のひとつに《クラリネット三重奏曲 作品3（Trio for Clarinet, Op. 3）》あります。
この作品は1896年に作曲され、ツェムリンスキーがまだ若かった頃の作品ですが、その完成度の高さから注目を集めました。
彼にとって最初の重要なロールモデルであったヨハネス・ブラームスの影響が色濃く表れており、音楽の語り口や楽器編成（クラリネット、チェロ、ピアノ）もブラームスに倣っています。
実際、初演を聴いたブラームス自身がこの作品を絶賛し、出版社ジムロックに出版を強く推薦したというエピソードはよく知られています。
残念ながら、自筆譜（オートグラフ）は現存していませんが、初版譜をもとにした校訂版では、楽譜に残っていた数々の誤植や版面ミスが丁寧に修正されています。
この版には以下のパートが含まれています：
クラリネット（Bb/A）のパート譜、ヴァイオリン用のオルタナティブ・パート（クラリネットの代わりに演奏可能）、チェロのパート譜、ピアノスコア
ツェムリンスキーの三重奏曲は、ロマン派末期の深い感情と構造美が詰まった作品で、クラリネット奏者や室内楽愛好家にとってはとても価値のあるレパートリーです。
ブラームス的な温かみと、ツェムリンスキーならではの感性が融合した、聴きごたえのある一曲です。