1 プロローグ
2 妻の便り(昭和19年3月4日)
3 あわがさき海岸(昭和19年3月11日)
4 影がうすいという言葉は(昭和19年3月14日)
5 フィリピンからの第1報(昭和19年5月)
6 こんなつらい時代だからこそ
7 今日来るか、明日来るか(昭和19年6月2日)
8 無事に帰ってきていたら
9 僕の楽しみは(昭和19年7月2日)
10 もし戦争がなかったら~エピローグ
♪詳細情報♪
▼楽器編成▼
Solo Vocal (Tenor, Michio)
1st Flute
2nd Flute
1st Oboe
2nd Oboe
English Horn
1st Bassoon
2nd Bassoon
1st Clarinet in B♭
2nd Clarinet in B♭
3rd Clarinet in B♭
Bass Clarinet in B♭
1st Alto Saxophone in E♭
2nd Alto Saxophone in E♭
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭
2nd Trumpet in B♭
3rd Trumpet in B♭
1st Horn in F
2nd Horn in F
3rd Horn in F
4th Horn in F
1st Trombone
2nd Trombone
3rd Trombone
Euphonium
Tuba
Piano & Celesta
Wind Chime
Chime
Tambourine
Ocean Drum
Wood Blocks
Snare Drum
Crotales
Glockenspiel
Xylophone
Vibraphone
Suspended Cymbal
Wind Chime
Chime
Marimba
Glockenspiel
Tambourine
♪楽曲解説♪
第二次世界大戦中に兵役に招集された画家(前田三千雄)が赴いた戦地 <フィリピン> から、妻(絹子)へ宛てた絵手紙の画集(前田美千雄追悼画文集「戦場から妻への絵手紙」[ アートルピナス/講談社])に出会ったのをきっかけにこの曲ができました。絵手紙にある手紙の文と、画集に載せられている絹子さんが書いた三千雄さんとの思い出などの文に、曲を付けさせていただきました。画集に載せられている順序(時間系列)そのままに曲を構成しています。
戦争を扱った作品と言うと重苦しくなってしまう印象が強いですが、この画集にある手紙の内容は、本国に残してきた妻に「戦地でも元気にしてるから安心して」という内容で、明るく朗らかな手紙の文章と色鮮やかに描かれている花や風景は、明るさとは裏腹に胸を締め付けられるような、心を打つ内容です。
終戦後、大切に肌身離さずに絵手紙を保管していた戦後、現在の姿の絹子さんと、兵役当時の若いまま戦地で志半ばで命を落とした三千雄さんが、音楽で時空を越えて結び合っているイメージで作らせていただきました。
2001 年にソプラノ、テノールとピアノによる初演があり、絵手紙の展示展で何度か再演をしました。絵手紙が美術館に収められるのを期にしばらく再演はありませんでしたが、2016年に藤村女子高校の都賀先生のご依頼で小編成の吹奏楽版に編み直しました。この大編成版は、2018年にやまももシンフォニックバンドの定期演奏会のために再編したもので、当時の三千雄さんと絹子さんと同年代である今野絵里香さん(ソプラノ)、中村裕哉さん(テノール)の素晴らしい歌声と表現力で演奏して頂きました。そちらはDVD としても発売されていますのでお聴き頂ければ幸いです。
(【CD】交響曲ト調:福島弘和 ブックレットより)
「戦争を知らない世代が生意気な事を」と印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、人口の割合的に戦争を知らない世代が増えた今だからこそ、もっと平和を大切にしなければならないと思います。音楽で何か伝えられる事があれば続けていきたい内容です。
(福島弘和)
● 初演
2001.1.8
作曲集団「碧(あお)の会」演奏会
演奏:松崎寛子(Sop), 渥美直久(Ten), 湯田亜希(pf)
会場:彩の国さいたま芸術劇場(小ホール)
● 吹奏楽版初演
2016.3.24
ソリスト:宮下文香(sop.)麻山皓太(ten.)
演奏:藤村女子高等学校
指揮:都賀城太郎
会場:杉並公会堂大ホール
● 吹奏楽大編成版初演
2018.3.4
やまももシンフォニックバンド第5回定期演奏会
演奏:やまももシンフォニックバンド
指揮:甘粕宏和
会場:杉並公会堂