
アイヌ民族の精神性・不屈の心に敬意を込め、また人々が大切にする「カムイ(≒万物の魂)」を表した作品。
楽曲詳細情報
- 作曲
- 広瀬勇人(Hayato Hirose)
- 演奏時間
- 4:20
- グレード
- 3.5
- 編成
- フレキシブル・アンサンブル
楽器編成
- Part 1
- Flute
- Oboe
- Clarinet in B♭
- Soprano Saxophone in B♭
- Alto Saxophone in E♭
- Part 2 (option)
- Piccolo
- Flute
- Oboe
- Clarinet in B♭
- Clarinet in E♭
- Alto Saxophone in E♭
- Trumpet in B♭
- Part 3
- Flute
- Oboe
- Clarinet in B♭
- Tenor Saxophone in B♭
- Alto Saxophone in E♭
- Trumpet in B♭
- Horn in F
- Part 4
- Clarinet in B♭
- Tenor Saxophone in B♭
- Alto Saxophone in E♭
- Horn in F
- Trombone
- Euphonium
- Bassoon
- Part 5 (option)
- Bass Clarinet in B♭
- Tenor Saxophone in B♭
- Baritone Saxophone in E♭
- Horn in F
- Trombone
- Euphonium
- Bassoon
- Part 6
- Bass Clarinet in B♭
- Tenor Saxophone in B♭
- Baritone Saxophone in E♭
- Trombone
- Euphonium
- Bassoon
- Bass Trombone
- Tuba
- String Bass
- 1st Percussion
- Low Tom
- Snare Drum
- Hi-hat Cymbal
- Wood Block
- Suspended Cymbal
- 2nd Percussion (option)
- Marimba
- Triangle
楽曲解説
「カムイの空」は2025年、フレキシブル5~8重奏作品(管楽器4~6パート/打楽器1~2パート)としてブレーン・ミュージックの委嘱で作曲されました。
この作品は、北海道を中心に数世紀にわたって独自の文化を築いてきたアイヌ民族をテーマに作曲されました。北は樺太、千島列島から南は本州北部まで、狩猟を主な生活の糧として周辺民族との交易で平和に暮らしてきたアイヌ民族の生活は、19世紀以降、明治政府の北海道開拓や同化政策などによって大きく変化しました。生活していた土地を奪われ、生業としていた狩猟も制限され、言葉や服装などもいわゆる本州の「日本人」と同様になることを求められました。
現代ではその特性が幅広く評価され、アイヌ文化を守ろうという意識が国内外で広がりましたが、厳しい苦難を乗り越え、力強く不屈の心で自分たちの文化を守ったアイヌの人々への敬意を込めて、この作品は作曲されました。(「カムイ」とはアイヌの言葉で「自然界のすべてのものに宿る心、その精神」といった意味で、アイヌの心を象徴する言葉として曲名に使用させて頂きました。)
少ない人数でも、いわゆる「小さな吹奏楽」の充実したサウンドが得られる作品で、アンサンブル・コンテストでの演奏はもちろん、少人数バンドによる吹奏楽コンクールでの演奏にも適しています。打楽器は最小1人から、人数が多い場合には楽器ごとに複数人で振り分けることができます。Part 7はサスペンデッド・シンバルを太鼓の前に置けば、同じスティックで2段同時に演奏することが可能です。
(広瀬勇人)