片眼片翼の雄鳥と雌鳥が隣り合い、互いを支援しなければ飛ぶことができない架空の生物を描く。
楽曲詳細情報
- 作曲
- 中村匡寿(Tadahisa Nakamura)
- 演奏時間
- 5:00(約)
- グレード
- 4
- 編成
- フレキシブルアンサンブル
- Part 1
- Flute
- Clarinet in E♭
- Part 2
- Flute
- Oboe
- Clarinet in B♭
- Soprano Saxophone in B♭
- Part 3
- Flute
- Oboe
- Clarinet in B♭
- Soprano Saxophone in B♭
- Part 4
- Flute
- Oboe
- Clarinet in B♭
- Soprano Saxophone in B♭
- Alto Saxophone in E♭
- Part 5
- English Horn in F
- Clarinet in B♭
- Alto Clarinet in E♭
- Alto Saxophone in E♭
- Part 6
- Clarinet in B♭
- Alto Clarinet in E♭
- Bass Clarinet in B♭
- Alto Saxophone in E♭
- Tenor Saxophone in B♭
- Horn in F
- Euphonium
- Part 7
- Bassoon
- Alto Clarinet in E♭
- Bass Clarinet in B♭
- Tenor Saxophone in B♭
- Euphonium
- Part 8
- Bassoon
- Bass Clarinet in B♭
- Baritone Saxophone in E♭
- Tuba
- String Bass
楽器編成
楽曲解説
比翼の鳥とは、片眼片翼しか持たないために雄鳥と雌鳥が隣り合い、互いを支援しなければ飛ぶことができない架空の生物である。この作品では多調性や複合和音が印象的に用いられており、それらの性質を含めた全体を象徴して比翼の鳥と題されている。
異なる調を背景に持つ2群の和音が鮮烈な響きを伴いながら1つの調へ帰着する様子は、2羽の羽ばたきが徐々に噛み合い同期し、飛び立つに至る様を想起させる。
また、旋律線や共通音を媒質とした頻繁な転調によって所謂機能和声に依らない独特の推進力を得ている。それはこの世界と力学の有り様を異にした、独自の飛行術であろうことが窺える。
纏わる物語がほとんどない比翼の鳥だが、この作品の中になんらかのドラマトゥルギーを見出し、この異形の鳥と音楽というものの神秘に想いを巡らせるのも楽しそうである。
(中村匡寿)