クラリネット5重奏：スピリット・ロード II／鈴木英史【アンサンブル楽譜】

1997年に北海道酪農大学吹奏楽団の委嘱により作曲した、マーチ「スピリット・ロード」のクラリネット５重奏編曲版です。2007年５月13日に佐川聖二先生率いる、コンチェルト・ダモーレ第４回定期演奏会にて初演されました。若い吹奏楽団とアンサンブルが、これから自らの精神の道を切り開いて未来を創ってゆく、希望とゆらぎに満ちた感情をこの曲に込めました。

急～緩～急の典型的なブリティッシュスタイルのマーチですので、構成は判りやすくなっています。拍子が１,２,３,４拍子と目まぐるしく変化しますが、テンポが一定なので、問題なくマーチになります(笑)。演奏や鑑賞にとりたてて不都合は無いと思います。

冒頭からの速い部分は旋律がかなり細かい音符によっています。その１つ１つが大切な旋律ですので、パラパラと吹き流してしまうのでなく、１つ１つの16分音符を丁寧に扱って欲しいです。かつハーモニーの色と少し裏ノリのビート感をも感じて下さい。楽譜に書いてあるテンポに拘ることは有りませんが、雑さや重さに繋がる設定は避けてください。

中間部は響きで歌うようにします。全ての声部が対位法的に動きますので、2nd～4th Cl.も内声的に動くのではなく、一番上の旋律と対等に絡んでください。 Bass Cl.も勿論、旋律的に動きます。あまりテンポ設定をゆっくりしすぎるのではなく、常に前に進んでいる力があるように、常に「前に向かう精神の道」を感じさせるように歌って下さい。

後半は前半を短縮しながら、冒頭と同じモチーフで終わります。精神の道に終わりがないように、この曲も終止感を余り感じさせないよう、決然と終わってください。リタルダンド等はしないことです。

いろいろな音楽の要素・スタイルも混ぜてみました。人生そのもののように。楽しんで演奏して頂ければ幸いです。

（鈴木英史）