
楽曲詳細情報
- 作曲
- 中村 匡寿(Tadahisa Nakamura)
- 演奏時間
- 5:30(約)
- グレード
- 上級
- 編成
- クラリネットソロ
楽器編成
B♭Clarinet
Piano
楽曲解説
本作は、もともとクラリネットと箏のために作曲された作品を、クラリネットとピアノの編成に移した改訂版である。基本的な音素材や構造は原曲を踏襲しており、箏で表現されていた音響がピアノにより再構築されている。
以下、原曲のプログラムノートより。
本作は、箏とクラリネットという異色の編成のために書かれている。
標題の「天狼」は冬の大三角形を成すシリウス(おおいぬ座α星)を指す。
実際のシリウスは主系列星Aと白色矮星Bから成る連星系であり、BがAの周囲を公転している。本作では両楽器をそれぞれのシリウスになぞらえ、二つの音響スペクトルが相互作用を織り成す様が表現されている。
箏は特殊な調弦を用いそれを固定したまま多様な奏法を組み合わせることで、あたかも偏光フィルターを次々に交換するかのように和音の彩度を制限なく変化させる。
クラリネットはこれに応答して音高・音色・奏法の差異を用いて多様なスペクトルを提示する。
終結部では箏とクラリネットの動機が互いに引力を及ぼすかのように連鎖し、連星が互いの軌道に影響を及ぼしつつ回転を続ける天体運動が音楽的に想起される。
(中村匡寿)


















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