コンサートだけでなく、コンクールにもおススメのシンフォニックなアレンジ
埼玉県立伊奈学園高等学校吹奏楽部の指導者である宇畑知樹先生の発案・構成により、森田一浩氏が2006年に編曲した「ライオン・キング」の楽譜出版が、ついに実現いたしました!
「アフリカの大地」「命をかけて…」「サークル・オブ・ライフ/ナー・イゴンニャマ」の3楽曲より構成。バンド全体の編成は、ほぼ標準的なスケールになっていますが、特に第3B♭クラリネットはレジスター・キーを操作しない範囲の音域が使われており、初心者に配慮されていて、取り組みやすいアレンジとなっています。
編曲:森田一浩(Kazuhiro Morita)
演奏時間:6:30(約)
グレード:3.5
主なソロパート:Fl.
Trp.最高音:1st:A / 2nd:F / 3rd:G
編成:吹奏楽
1st & 2nd Flutes
1st & 2nd Oboes
Clarinet in E♭
1st Clarinet in B♭(div.)
2nd Clarinet in B♭(div.)
3rd Clarinet in B♭
Bass Clarinet in B♭
1st & 2nd Bassoons
1st Alto Saxophone in E♭
2nd Alto Saxophone in E♭
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭
3rd Trumpet in B♭
1st & 2nd Horns in F
3rd Horn in F
1st & 2nd Trombones
Bass Trombone
Euphonium (div.)
Tuba (div.)
String Bass
3 Tom-toms
Suspended Cymbal
Crash Cymbals, Congas & Tam-tam
Bass Drum
Glockenspiel
Vibraphone
Marimba
「ライオン・キング」のシリーズは、いくつかの続編やスピンオフ作品をのぞけば1994年に公開された長編アニメーション映画、97年製作のミュージカル、2019年公開のフルCG版(超実写版)の三作が中核をなす作品です。そこには数々の魅力的な挿入歌とともに、情景を余すところなく表現した音楽(スコア)部分が含まれていますが、このスコア部分は大変に印象的にもかかわらず、挿入歌ほど注目度は高くありません。挿入歌のように単曲で歌われたり、楽譜が出版されることがないためでしょうか。
ここに編曲された「ライオン・キング」は、メドレースタイルの編曲作品としては珍しく、そのスコア部分を中心に構成されています。アニメーション映画版とミュージカル版を比べてみると、挿入歌は楽曲スタイルがほぼ共通していますが、スコア部分は使用箇所が変更になったり、オーケストレーションの規模なども自由に変化しています。耳に馴染んだメロディを使いつつ、作品全体の構成を整え、調整する役目もこのスコア部分が担っているのです。「アフリカの大地」と「命をかけて…」の2曲のなかで演奏されるフレーズも、アニメとミュージカル両方に登場しますが、まったく同じようには使われていません。この編曲では、埼玉県立伊奈学園総合高等学校吹奏楽部の指導者、宇畑知樹先生の発案・構成で、オリジナルヴァージョンのアニメ映画から構成を借用しています。
バンド全体の編成は、ほぼ標準的なスケールになっています。技術的には決して易しくありませんが、第3 B♭クラリネットは特に初心者を意識し、レジスター・キーを操作しない範囲の音域が使われています。また、有名な挿入歌「サークル・オブ・ライフ」の後半では打楽器が民族太鼓のリズムで曲を盛りあげますが、楽譜に指定された楽器以外にも種類を加え、華やかな雰囲気をつくっていただけると効果的でしょう。
2006年に伊奈学園総合高等学校のために編曲して以来、多くのスクールバンドから演奏の希望をいただきました。しかしディズニー作品の著作権管理の厳しさもあって、実現しないまま15年が過ぎてしまいました。この度の出版の実現は、諦めずに許諾申請を重ねてくださったブレーン株式会社のお陰というほかありません。この場をお借りしてお礼を申しあげます。
(森田一浩)