♪詳細情報♪
編曲:飯島俊成(Toshinari Iijima)
演奏時間:6分30秒(約)
グレード:3
調性:原調 (D:)/アレンジ (G:)
主なソロパート: Flugelhorn
Trp.最高音:1st:High H / 2nd:F / 3rd:B
編成:吹奏楽
販売形態:販売譜(スコア+パート譜)
▼楽器編成▼
1st Flute
2nd Flute (div.)
1st & 2nd Oboes
English Horn
1st & 2nd Bassoons
E♭ Clarinet
1st & 2nd B♭ Clarinet
3rd B♭ Clarinet
Alto Clarinet
Bass Clarinet
Contra-alto Clarinet
1st & 2nd Alto Saxophones
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
(doub. Flugelhorn)
2nd & 3rd Trumpets
1st & 2nd Horns in F
3rd & 4th Horns in F
1st & 2nd Trombones
3rd Trombone
Euphonium (div.)
Tuba
String Bass
Glockenspiel
Vibraphone
Marimba
♪楽曲解説♪
カノンとはバロックの頃に生まれた音楽の形式の一つです。輪唱、輪奏もカノンの一つの形ですが、カノンにも実はたくさんの種類があります。パッヘルベルのカノンは「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」の第一曲です。名前の通り、3人(3つのセクション)の奏者が通奏低音(チェロ、コントラバス等とチェンバロ、リュート等の伴奏のこと)をバックに1本の旋律を一切の変更なしに追いかけながら演奏します。通奏低音のチェンバロやリュートは即興で演奏されるものなのですし、元々はダイナミクスも速度も指示がないので、実にいろいろな演奏があります。YouTubeなどで検索をしていろいろな演奏を聴いて原曲の雰囲気や演奏の多様さに触れてみるようにしてください。
また原曲の楽譜も出版されていますから、これも見てみるとよいでしょう。パッヘルベルのカノンは単純な4小節の和音進行の繰り返しです。ですから、どのようにダイナミクスの頂点を作ってメリハリのある演奏にするか、工夫をしてみてください。
また、バロックの音楽の多くは一つ一つの音が言わばモザイクであることが多い。そして一つ一つの音のモザイクが連なって一つの音楽を作るように出来ています。たとえば八分音符が4つスラー、四分音符が4つスラーがあって、そこでクレッシェンドをかける時、それぞれの音符の中で表情をつけてクレッシェンドをするのではなく、階段状にモザイクを大きくしていくようにしてみてください。また、フレーズの切れ目(スラーの切れ目)は音を抜くのではなく、まっすぐ音で吹いて、次の音符に入る寸前にわずかな隙間をあけるように。とても清潔でクリアな音楽になると思います。このような吹き方は、クラリネットやサックスの人にとってとても難しいことかもしれません。逆にオーボエの人は普段からそう吹くことが多いのではないでしょうか。ですから、上手なオーボエ奏者がバンドの中にいるならば、その人に吹いてもらって、その人のニュアンスを皆で真似るのもよいと思います。
バッハの「音楽の捧げ物」という曲には、5度違う音から始まるカノン、楽譜をひっくり返して上下の動きを逆にしたカノン、1本の旋律の最初と最後から同時にスタートするカノンなど、とてもたくさんの種類のカノンが含まれています。カノンって要するに「カエルの歌」だ、などと思わずに、もし興味をもったならばいろいろなカノンを聴いてみるとよいでしょう。
(飯島俊成)