♪詳細情報♪
青春 5:00
宿命 6:00
治癒 6:00
作曲:森山至貴
演奏時間:17分00秒(約)
編成:混声四部合唱
声部数:Soprano / Alto / Tenor / Bass
言語:日本語
伴奏:ピアノ伴奏
出版社:ブレーンミュージック / Brain Music
販売形態:販売譜
♪楽曲解説♪
『混声合唱とピアノのための治癒』は、いずれもアクロバティックに展開する、難易度の高い三つの作品からなる連作です。三曲すべてが千葉県立船橋高等学校合唱部のNHK全国学校音楽コンクールおよび全日本合唱コンクールの自由曲として作曲されたため、いずれの曲も詩句の省略なしに短縮版で演奏ができます(省略可能な箇所は下記の各曲解説内に記載)。演奏に際しては、曲数、曲順、(指定の箇所にかぎりますが)省略などを自由に選択していただいてかまいません。指揮者や合唱団ごとの「編集力」を存分に発揮して演奏してください。
「治癒」の楽譜出版にいたるまでには、本当にたくさんの方にお世話になりました。委嘱者であり本作品成立の立役者である吉田智恵子先生(「治癒」「青春」の初演指揮者)、吉田先生からバトンを引き継がれた足立直也先生(「宿命」の初演指揮者)、歴代の千葉県立船橋高等学校合唱部のメンバー、三年にわたり連続して初演ピアニストをつとめていただいた高階静香さん、三年連続で拙作に取り組んでくださり、本当に光栄でした。2019年8月に私の個展でおこなわれた全曲初演では、吉田宏さん、岩本果子さん、Coro Ponteのみなさんに熱い演奏をしていただきました。全曲通しての演奏を想定した三曲ではなかったのですが、好演のおかげで一つの組曲としても成立すると確信することができました。
みなさん、ありがとうございました。
「青春」(2016)
美化された甘酸っぱい思い出を剥ぎ取れば、青春はいつだって苦悩と葛藤に満ちた、焼けつくような季節であったはずです。この曲においても、「青春」という言葉から通常連想されるのとは異なり、厳しい詩句が畳み掛けるように歌われます。焦燥感あふれる曲調は終結部で一瞬和らぎますが、最終的には合唱のいびつなユニゾンとピアノの一撃によって打ち消されます。
※練習番号G~HもしくはQのいずれかもしくは双方を省略して演奏してもよい。
「宿命」(2017)
コンクールのための練習期間の大部分は季節としては夏になるので、夏らしくセミを、しかし飛ぶことが叶わなかったセミを描いた曲を作りました。6/8や3/4のセクションが曲の大部分を占めますが、優雅さや華麗さではなく、切迫感や悲劇性が宿るよう、ピアノの音型や和声進行に気を配りました。セミの鳴き声をあらわす「じいい」という詩句を、曲中の要所でくりかえし用いています。
※練習番号D~E~FもしくはNのいずれかもしくは双方を省略して演奏してもよい。
「治癒」(2015)
征矢泰子さんの詩に出会った時の鮮烈な驚きをそのまま音に封じ込めようと、ピアノのリズムパターンや、アカペラ部分の和声についてそれまでの自分になかった新しい書法を開拓しながら書き進めました。さまざまな曲調の間を縫って音楽は進みますが、終盤のアカペラ部分以降は、ピアノの力を借りて一直線に疾走感をもってラストまで駆け抜けます。
※練習番号FもしくはN~O~Pのいずれかおよび双方を省略して演奏してもよい。
(森山至貴)
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