【販売楽譜】混声合唱組曲「まわる地球」

　本組曲は、日頃から仲良くさせていただいている天野裕介さんより、神戸ポートシンガーズへの作曲依頼を頂いたのがきっかけでした。当初は単曲での委嘱、編成も合唱と室内楽（ヴァイオリン2本、チェロ、ピアノ）という内容でしたが、せっかく作曲するなら組曲にして広く歌われる形にした方が良いのでは…ということになり、合唱団ボイスフィールドとの共同委嘱という形で作曲することになりました。
　詩は工藤直子さんの作品から5篇を選びました。全て「地球」の風景をテーマとしていることもあり、1曲目「まわる地球」から組曲のタイトルを取らせていただきました。工藤さんの言葉は平易でありながら、言葉を読む人・聞く人それぞれが鮮やかに映像を描くことができ、作曲をする上でも音を紡ぐのがとても楽しい詩人のお一人です。色とりどりの情景そのままに、曲ごとのキャラクラーも一つ一つ際立っているのが特徴の組曲と言えます。初演時期が春だったこともあり、柔らかさ・温かさ・前向きなイメージをもって、爽やかな5曲になったのではないかと思います。
　演奏に際しては、「登場人物になりきって最後まで演じること」を念頭に置いていただけると楽しく演奏できるでしょうか。歌い手一人ひとりが、生き生きとした表現を客席に届けてくださることを願っております。
　初演に際しては、指揮の天野裕介さん、神戸ポートシンガーズの皆さん、合唱団ボイスフィールドの皆さん、ピアノ・室内楽でお力添えいただいた奏者の方々にご尽力いただきました。心より御礼申し上げます。

2019年4月　北川　昇