
ふと頬にあたる風が、なんだか、気持ちを前向きにしてくれる。そんな経験はないでしょうか?この作品を歌った後、聴いた後、あたたかい風に吹かれたときのように、生きていることへの素朴な喜びを感じるかもしれません。爽やかで前向きなエネルギーに満ちた、命の息吹を感じさせてくれる作品です。

熱い砂、塩辛い水、青い波、濡れた砂、太陽―私の海の記憶は遠くからやってきて、私を満たす。きっと海はこの世のあらゆるものを内包しているから、「私」を優しく包んでくれるのかもしれません。3拍子の流れるようなリズムの中に、海のとめどなくしなやかで全てを包み込んでいく柔らかさ、優しさが表現されています。

林の中を自分と対話しながらゆっくりと進んでいく時、林が、そしておもむろに隣にやってきて肩を並べる風が、―それはもう一人の自分かもしれない― 何かを話しかけてくれる。私たちは人生を歩むとき、知らず知らずのうちにそういった力に励まされているのかもしれません。ゆっくりとした曲調で、そんな瞬間が穏やかに描かれています。

一日の終りに心にた他愛もなく浮かんでくる問いたち。意味はないかもしれないけれど、色々な想いが心を泳ぐ。そんな自由な心の遊泳を、まるごと肯定してくれるような明るい音楽です。きっと私の心を越えた広がりがこの世にはあるのだ― ありのままの世界と私のこころをそのまま受け入れ開放してくれるような、前向きな音楽になっています。
収録情報
タイトル | 作曲 | 作詞 | 編成 | Time | 試聴 | |
1. | 太陽と海と季節が | 森山 至貴 | 高野 民雄 | SMA+Pf | 4:00 | |
2. | 海の記憶 | 森山 至貴 | 高野 民雄 | SMA+Pf | 4:50 | |
3. | 林の中を風と歩く | 森山 至貴 | 高野 民雄 | SMA+Pf | 4:10 | |
4. | 一日の終りに | 森山 至貴 | 高野 民雄 | SMA+Pf | 5:20 |
プロフィール
森山 至貴
1982年生まれ。第22回朝日作曲賞受賞。第13・18・20回朝日作曲賞佳作受賞。大学院生時代には東京大学コーロ・ソーノ合唱団の学生ピアニストとして松本望氏の合唱組曲『むすばれるものたち』の初演に携わった。現在、早稲田大学文学学術院教授。社会学者として大学での研究、教育もおこなっている。
女声合唱団ぱるらんど
2022年12月活動開始の女声合唱団。常任指揮者の石橋遼太郎のもと、東京23区内で“ゆるく楽しく美しく”をモットーに活動している。創団後「春こん。」にて金賞(第1位)を受賞、2024年度東京都合唱コンクール 同声合唱の部にて金賞を受賞するなど各種コンクールに出演するほか、他団体とのジョイントコンサートを複数回開催、邦人作曲家の委嘱初演にも携わるなど積極的に活動している。