近年様々な歌劇作品からの編曲が注目される中、2014年全国大会において3団体もが取り上げたプッチーニの傑作オペラ『蝶々夫人』より「これぞ決定版!」と言えるアレンジが登場。劇中に歌われる名場面の数々が、美しい音楽とともに存分に味わえる構成となっています。また、北アメリカ大陸最長を誇る大河を描いたグローフェの『ミシシッピ』組曲はその流域にまつわる音楽が詰まった壮大な情景を思い起こさせる、楽しさ溢れる作品。
その他にも歌劇から新たにアレンジされた『オイリアンテ』序曲や『リナルド』より“私を泣かせてください”など原曲が持つ世界観を踏襲しながらも吹奏楽の可能性を追求した編曲者の“こだわり”が凝縮された名アレンジとなっています。
それぞれの音楽の魅力をいかにして伝えるか。各編曲者の熱い想いが音となって生まれ変わる瞬間をお楽しみ下さい。
演奏データ
指揮:隊長 武田 晃([1]-[7]。[9])、副隊長 樋口 孝博 ([8]、[10]-[13])
演奏:陸上自衛隊中央音楽隊
合唱:武蔵野音楽大学合唱団
収録:2014年11月27~29日 陸上自衛隊中央音楽隊 音楽講堂
収録曲
Euryanthe Overture/Carl Maria von Weber ( arr. Masaki Itani )
Cavalleria Rusticana/Pietro Mascagni ( arr. Eiji Suzuki )
Lascia ch'io pianga from Rinaldo Act II/Geprg Friedrich Händel ( arr. Fumio Tamura )
歌劇「蝶々夫人」より
舞台は長崎。悲恋の物語をプッチーニは異国情緒あふれる音楽で表現しました。「ある晴れた日に」を軸にオペラの世界が広がる、アレンジ決定版です。
バレエ音楽「マ・メール・ロワ」より
連弾で演奏される機会の多いマ・メール・ロワですが、こちらは管弦楽による「バレエ版」から編曲されています。ラヴェルが表現したかったおとぎ話の世界、異国情緒が、多彩な音色で表現されています。連弾を演奏したことのある方でも目から鱗の、ぜひ聞いていただきたい編曲です。
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より
有名な間奏曲を存分に味わえる構成となっています。全体的に厚めのオーケストレーションが選ばれているので、豊かな表現が期待できる編曲です。
私を泣かせてください 歌劇「リナルド」第2幕より
古典イタリア歌曲集でおなじみの"Lascia ch'io Pianga"。「繰り返し」の際の装飾の追加や変奏は当時の通例でした。この作品に現れる編曲者の手により選ばれた装飾は、まさに珠玉です。
歌劇「オイリアンテ」序曲
ロマン派の作曲家ウェーバーの優雅な世界が広がる作品。アカデミックな印象の強い、クラシックの王道と呼ばれる作品は吹奏楽では敬遠されがちですが、若い演奏家にこそ、ぜひ触れていただきたい一曲です。
ミシシッピ組曲
日本ではクイズ番組で有名になりました。まさにアメリカ大陸を象徴するような、雄大さ、おおらかさが表現されています。原曲の資料を元に森田氏が編曲。オリジナリティも加わり、どの世代にも新しさを感じさせてくれることでしょう。
このCDに収録されている作品は全てブレーンより出版です。