作曲：ヤン・クーツィール(Jan Koetsier)
演奏時間：11:00（約）
グレード：上級
編成：トランペット、トロンボーン・デュオ＆ピアノ
楽曲構成：全4楽章
I. Andante con moto
II. Variationen uber ein Thema
III. Scherzo
IV. Maestoso

Trumpet
Trombone
Piano

トランペット奏者ヴォルフガング・グッゲンベルガーとトロンボーン奏者ハラルト・ブショールが、ヤン・クーツィールの《グラン・トリオ》（1988年、作品112）の演奏後に自然に結成した「ヤン・クーツィール・トリオ」の誕生に触発されて、クーツィールはこの編成（トランペット、トロンボーン、ピアノ）のために新たな室内楽作品を作曲しました。
作品は4つの楽章から構成され、ピアノ三重奏という古典的な形式にも影響を受けています。
第1楽章は持続音による序奏から始まり、その後、提示部・展開部・再現部というソナタ形式に則って、明るく喜びに満ちた主題が展開されます。
第2楽章は「アイルランド風の変奏曲」と題され、民謡風に創作されたテーマに、ややロマンティックな雰囲気を帯びた変奏がいくつか続きます。
第3楽章は、華やかで技巧的なスケルツォで、演奏者の技術を際立たせる構成となっています。
そして終楽章では、4小節のパッサカリア主題をもとに16の変奏が行われ、荘厳かつ壮大な結末へと導かれていきます。
このように本作は、トリオという編成を最大限に生かしつつ、クラシカルな形式と現代的な表現が融合された、豊かな音楽的世界を描き出しています。