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教えて段先生!【小編成選曲編】

2023年4月5日
教えて段先生!

段 真大(だん まひろ)

 島根大学教育学部特別教科(音楽)教員養成課程卒業、同大学院教育学研究科修了。声楽を吉田功氏に師事。クルト・エクヴィルツ氏のマスターコースを受講。第4回日本クラシック音楽コンクール特別賞。大学在学中より一般吹奏楽団、合唱団の指導にあたり、女声コーラス「花音」指揮者として、3回にわたり同団を「全日本おかあさんコーラス」全国大会出場に導いた。吹奏楽指導者としては、「全日本吹奏楽コンクール」中国大会出場13回、うち全国大会出場6回。大田市立第三中学校では2009年にわずか7名で「全日本吹奏楽コンクール」中国大会(小編成の部)に出場し、金賞を受賞。出雲市立第一中学校では、在任中すべての年に全国大会に出場し、うち金賞2回。平成28年度島根県児童生徒学芸顕彰、平成29年度文部科学大臣優秀教職員表彰。
現在、浜田市立第一中学校主幹教諭。

アシュラ / 石川健人

Q.どんな曲ですか?教えて段先生!
⇒気鋭の若手作家による注目作!小編成吹奏楽の無限の可能性をアピールできる!

段 真大先生の解説

 この曲を最初に耳にしたのは、あるコンクールの大会役員として舞台袖にいた時でした。仕事をしながらも、気づいた時には音楽の中にぐいぐいと惹きこまれていたことを、今でもはっきりと覚えています。幸運にも上位大会でもこの演奏を聴きましたが、県大会のそれとはまた違った表情が伝わり、楽曲そのものに興味を持つようになりました。そのとき以来、いつか私自身もこの曲を演奏してみたいと思い続けて現在に至っています。
 フルートやサックスの緊張感あふれるソロ、ロックの表情も垣間見せる鮮やかな場面変化、特殊奏法を含めた打楽器、そして随所に現れるユニゾンの効果など聴かせどころは十分。もちろん大人数で演奏してもよいでしょうが、私はやはり編成の小さなバンドにこそ積極的に挑戦してほしいです。小編成吹奏楽のもつ無限の可能性をアピールできる楽曲だと思います。

Gr.4/Time:6:50

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環海の群像 / 田村修平

Q.どんな曲ですか?教えて段先生!
⇒小編成でもスケールの大きな音楽を表現できる作品!

段 真大先生の解説

 本作の魅力の一つは、楽曲のもつスケールの大きさや様々な表情を少人数でも十分に伝えられることにあると思います。「うちのバンドは人数が少ないからこういうタイプの曲はちょっと・・・」、という感覚を払拭できる作品がまた一つ増えた、そんな気持ちがします。
 海そのものや海洋国家としての日本の歴史を描く本作。作曲者や作品の背景によって、海は自然界のそれと同じく、様々な表情を見せてくれることを改めて感じました。ミッチェル作曲「海の歌」やドビュッシー作曲「交響詩“海”」、マクベス作曲「水夫と鯨のこと」…など海に因んだ作品を聴きながら、各バンドならではのオリジナリティを追求してほしいと思います。

Gr.4/Time:7:15

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ショプロン1989-国境を駆け抜けた自由の民- / 鹿野草平

Q.どんな曲ですか?教えて段先生!
⇒ダイナミックな演奏を生むことができる演奏効果の高い作品!

段 真大先生の解説

 昔の自分なら「こんなカッコイイ曲は大編成のバンドしかできない」と思ったであろう作品が、小編成の世界でもどんどん登場する時代になったことを改めて実感しました。技術的にも配慮されたグレード3までの楽曲が多くを占める小編成向け作品ですが、難易度にあまり配慮し過ぎず、各楽器の持ち味を存分に引き出す作品が生まれることで、この編成のもつ可能性がさらに広がってくると思っていましたが、この曲はまさにそうした作品です。ある程度の技量とスタミナが必要になるでしょうが、それに見合った高い演奏効果が得られます。題材となった事件に纏わるエピソードが楽曲解説に明記されていますので、そこからイメージを広げることにより、短編の映画を1本作り上げる感覚で表現を追求すると、奏者の数に関係なくダイナミックな演奏が生まれるでしょう。

Gr.4/Time:7:30

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白の胎動 / 朴 守賢

Q.どんな曲ですか?教えて段先生!
⇒人数の少なさや演奏技術による制約を受けず、音楽を追求する楽しさを味わえる作品!

段 真大先生の解説

 人数の少なさや個々の演奏技術にあまり制約されることなく、音楽の美しさ、そして楽譜を読み込みながら表現を追求する楽しさを十分に味わえる素敵な曲だと思います。2管を主体とした編成となっていますが、工夫次第でさらに人数を減らすことも可能です。冒頭のファンファーレ、それに続く心に染みる歌、その後にくる高揚感…など、聴かせどころは十分にありますが、その魅力をしっかりと引き出すためにどのような音色で演奏すればよいか、一人一人がそこに思いを寄せることでさらに音楽が生き生きとしてくるでしょう。このコラムを執筆するにあたり初めて知った作品でしたが、部員数も決して多くなく、初心者を中心とした中学校バンドを受け持っている私もぜひどこかの機会に演奏したいと思っています。

Gr.3.5/Time:6:30

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村雨 / 江原大介

Q.どんな曲ですか?教えて段先生!
⇒編成の偏りすら個性に昇華できる、小編成を楽しむ工夫に満ちた作品!

段 真大先生の解説

 わずか17名でコンクールAの部に臨む中学生バンドのために作曲され、九州大会にまで駒を進められたという話題作。技術的に無理なく書かれているだけでなく、奏者一人一人に異なった役割を持たせる工夫が随所にあるため、「合奏の中での自分の役割を理解し、果たそうとする“楽しみ”」を技量や学年に関係なく得られるはずです。
 また、本作は「日本」がキーワードです。各楽章には「序」「破」「急」(中学1年の音楽の教科書にも登場しますね)と名付けられるなど、伝統的な日本の音楽に触れることで、イメージを広げたり表現に生かしたりすることができるでしょう。ソロ楽器の活かし方も効果的で、さまざまに表現を工夫できそうです。人数や学年構成、編成の偏りに悩むバンドにとっても、それらを「個性」に昇華できる可能性をもった作品です。

Gr.4/Time:6:30

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