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教えて都賀先生!【小編成 選曲編】

2018年7月3日
魔法の鍋
小編成レパートリーコレクションvol.11「魔法の鍋」発売記念!
小編成の指導、選曲のポイントを、小編成熱血指導中の都賀先生にお伺いしました!

小編成ならではのお役立ち情報を惜しみなくお教えいただきましたので、じっくりご覧ください!

都賀城太郎

1981年より春日部共栄高等学校吹奏楽部を指導、幾度にもわたり全国大会出場へと導いた。

2015年からは藤村女子中学高等学校にて吹奏楽部を指導。小編成バンドの指導に情熱を注いでいる。2017年管楽合奏コンテストに15名で出場し、大きな反響を得た。
Q基礎編では編成のポイントがつかめました。次は選曲のポイントを教えてほしいです! 新しくリリースされたCD「魔法の鍋」、たくさん作品がありますがどれにするか迷います。
Aそれではいよいよ今回の楽曲についての現場目線リポートに入りましょう。今回の特徴は何と言ってもOption のピアノが8曲中、5曲も入っていることです。前述のようにピアノやシンセサイザーを取り入れることで、ぐっと演奏の幅が広がり、限定的だったレパートリーが一気に増えると思います。もう一つの特徴は、今回収録されている楽曲だけで1つのコンサートが成り立ってしまうほど、多彩な曲が揃っている点です。
 大編成用に書かれた曲の小編成版ですが、様々な工夫がされていて小編成でも十分な演奏効果が得られると思います。最少演奏可能人数16名となっていますが、オプションのピアノパートを使うなどすれば、もう少し少なくてもいけるのではないでしょうか。また、打楽器はティンパニ+小物で1名、皮もの系で1名(ドラムセットを使用)、鍵盤系1名(ピアノで代替可)の計3名です。こうした曲の場合、ドラムセットのバスタムは安っぽく聞こえてしまうことがありますが、最近はフットペダルについているビーターの種類も豊富なので、選べばコンサートバスドラムにかなり近い音が得られます。\5000 程度ですのでお勧めです。
 曲はストーリー性もあり、各パートの音域も無理がないです。途中変拍子、複合拍子が出てきますが、音楽の流れを掴めばそんなに難しくはありません。練習方法としては言葉や体でリズムを体感した後に演奏に入る方が近道だと思います。



ドラムの部分、ビーターの工夫でサウンドが変わりそうですね!
 この曲は元々、12名程度のバンドのために書かれた曲なので、スコアに書かれた編成通りでなくても演奏可能ですし、ピアノやハープなどオプション楽器も豊富なので、色々な工夫ができると思います。また、途中の女声合唱の部分は、もちろんメンバーが歌っても良いのですが、コンサートなどでは合唱部とのコラボにするとステージが華やかに見えますよね。曲想も変化に富んでいるので、コンサートには特におススメだと思います。



ピアノがサウンドの補助をしているので、オプションですが、あった方が有効ですね!
 全体を通して難しいリズムも和音もないので、初心者、経験者問わず演奏可能ですが、曲の持つスケール感から考えると、30人程度の人数はいた方が良いのではないでしょうか。金管が良く鳴るバンドには演奏効果抜群の曲だと思います。打楽器は5人で書かれていて、他パートから臨時に入ることも可能ですが、管楽器の演奏効果を考えると、打楽器パートは5人ほしいところです。とはいえ基礎的な技術で十分対応できますから、是非打楽器パートに活躍してほしい曲ですね。



華やかな金管!これが聴かせられるとかっこよさそうです!
 ポリトープ(超多面体)の名の通り、コンテンポラリー、ジャズ、吹奏楽オリジナル、クラシックと様々な顔を持っているので、電子楽器などを加えると大人っぽい演奏にもなりますね。この曲は各バンドの編成に応じた、まさに多面的な表現ができると思うので、人数に関係なくすべてのバンドにチャレンジしてもらいたいと思います。演奏の際の楽器の配置も、通常の配置でなく、ピアノ、打楽器を中心とした、この曲独特の配置を考えて演奏効果を高めるのも楽しいかもしれません。色々な面で工夫をしてバンド毎のオリジナリティーを出すことが、作曲者の意図にも適うのではないでしょうか。



リズムが複雑ですが、表現の幅が広がりそうです!
 福島さんの作品はとにかく良く"鳴る"ことが、小編成バンドにとっては特に嬉しいです。この曲も15名程度から演奏可能だと思います。10名前後の少人数バンドからの作曲依頼も多いらしく、バンドの事情に柔軟に対応できるオーケストレーションに加えて、いつもながらのメロディーラインの美しさと、構成感の良さは流石だと思います。テクニックよりも音楽の表現を追求するのに最適な一曲ですね。拍子が目まぐるしく変わっているように見えますが、これは自然な音楽の流れの結果なので、特に難しいことはありません。



きれいなメロディー、演奏してみたいです!
 元は、フルート、クラリネット、サクソフォンから成る木管八重奏のために書かれた曲で、今回バンド版としてリメイクされたわけですが、元々の美しい木管アンサンブルに加えて、充実した金管楽器の迫力あるサウンドとパンチのある打楽器が加わって、より深さや広がりが増した結果、説得力が増し、スケールの大きな作品となって生まれ変わったように思います。今回の収録作品全体をひとつのコンサートに見立てると、メインに位置する作品だと感じました。長短の差はあれ、Bass.Cl、Horn、Tuba、等にもSolo があり、なかでも Fl 、B♭Cl、A.Sax 、B.Sax のソロは重要です。色々な面を総合して考えると、なるべく多い人数で演奏する方が効果的だと思います。



アンサンブル版にはなかった打楽器群、役割がしっかり与えられていますね!
 ドラマティックで、迫力ある演奏が望めるオーケストレーション、中学生の小編成であっても十分な演奏効果が得られると思います。ピアノが効果的に使われているのも嬉しいですね。また、後半の充実した金管の響きハーモニーは、曲のメインともいうべき部分ですから、しっかりトレーニングして満ち溢れる光のエネルギーを表現できるといいですね。構成感もあり、コンクールにも向いている曲だと思います。




この作品もピアノがとてもいいバランスを作ってくれそうです!
  パーカッションがティンパニを含めて5人で書かれていますが、ティンパニで1人、他をドラムセットで演奏すれば2人でOKです。シュトラウスの音楽は、ホテルのラウンジやレストランなどでよく演奏されますが、その際はドラムセット1人だったりすることが多々ありますし、アタッチメントをつけて通常のバスドラムとシンバルを1人で演奏することもできるので、工夫次第で人数を節約することはできます。
 また、こうした曲は、歌い方、音楽の持っていき方など、音楽作りにとって、大事な要素がたくさん含まれているので、私は、コンクールのオフシーズンなどに特に積極的に取り上げてきました。具体的には、メンバーに「こうもり」の"アデーレのアリア"や「メリーウィドウ」の"ヴィリアの歌"、「微笑の国」の"君こそ我が心のすべて"などのアリアを聞かせ、原語の歌詞(あるいは訳詞)で歌手に合わせて歌ったり、それを楽器演奏に応用したりなど、楽しみながら学べるとても良い題材ですし、コンサートなどでは幅広い年齢層の聴衆に喜んでもらえるレパートリーですので一石二鳥だと思います。したがってこうした曲が小編成でも演奏できるようになったのは素晴らしいことだと思います。



うたごころもしっかり身に付きそうです!
◆都賀先生、ありがとうございます!楽しくトライされている、先生の作品への向き合い方を教えていただいた気がします!

早速私はあの作品に・・・決めました!

 

その他の選曲アドバイスはこちら

 

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