宅配スコア閲覧
♪詳細情報♪
▼楽器編成▼
Flute 1 , 2 & 3
Oboe 1 & 2
English horn
Bassoon 1 & 2
E♭Clarinet
B♭Clarinet 1 , 2 & 3
Alto Clarinet
Bass Clarinet
Soprano Saxophone
Alto Saxophone 1 & 2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone
Horn 1 , 2 , 3 & 4
Trombone 1 , 2 & 3
Euphonium
Tuba
String Bass
Percussion ※5 players~
Bass Drum
4 Tom-toms
Crash Cymbals
Suspended Cymbal
Antique Cymbals
Tam-tam
Bamboo Chime
Claves
Glockenspiel
Xylophone
Vibraphone
Marimba
Tublar bells
♪楽曲解説♪
結婚を考えながらも、しかしどちらからもはっきりした意思表示のないままつきあって5年……迷ったあげくオーストラリア行きを決めた彼女が言う「ごめんなさい。もういいの」と、「○○がなあい!」と大騒ぎして探してもらっていて「あ、ここに持ってた…」という彼女の「ごめんなさい。もういいの」は、それぁ相当違いますよねえ、同じ文字面でも。
音楽でも同じことで、音符の上では一緒でも、まるで違うように演奏することもできるわけです。曲全体の主張だったり、主題の性格、その楽器に作曲家が託したイメージなどなど、楽譜に書かれていないことも感じ取って、演奏に反映させる。あるいは自然と演奏が変わっていく。それが「歌う」ということだと思います。
しかしこの「歌う」ということ、そう楽なことではないんですね。何度も繰り返される稽古のたびに「5年越しの恋に終止符を打つ女性」になりきるのが大変なのと同じくらい。この《Sing with Sincerity》は、ヤマハ吹奏楽団の委嘱で、2008年の吹奏楽コンクールの自由曲向けに書いたものですが、同楽団はその大変さにもかかわらず、常に「誠実に歌う」のです。そのことへの畏敬の念をおおもととして、この曲を書きました。
ですから、演奏上の注意といったことはここでは述べません。なぜって、指示に従っての演奏では「歌う」ことになりませんでしょう?「はい、そこで微笑んで」といわれたから見せる笑顔で、人の気持ちを惹き付けるのは難しいのと同じことです。感じて、考えて…歌ってください。ただ、ずっと職場の雄としてリードしてきた同楽団が統合前の「職場の部」に参加する最後の回、いろいろな感慨もあるだろうなあという、思いもまたこの曲にとけこんでいるということは、ご参考までに書き添えておきます。
(長生 淳)