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楽曲詳細情報
- 作曲
- 松下倫士(Tomohito Matsushita)
- 演奏時間
- 6分00秒(約)
- グレード
- 4
- 主なソロパート
- Fl. / B♭Cl. / Bass Cl. / A.Sax.
- Trp.最高音
- 1st / F 2nd / Es
- 最少演奏人数
- 19名
- 編成
- 吹奏楽(小編成)
楽器編成
- Flute 1 & 2
- Oboe (opt.)
- Bassoon (opt.)
- B♭Clarinet 1 & 2 (all opt. div.)
- Bass Clarinet
- Soprano Saxophone (opt.)
- Alto Saxophone (opt. div.)
- Tenor Saxophone
- Baritone Saxophone
- Trumpet 1 & 2
- Horn 1 & 2
- Trombone 1 & 2
- Euphonium
- Tuba
- String Bass (opt.)
- Piano
- Percussion ※2 players~
- Timpani
- Bass Drum
- Sizzle Cymbal
- Suspended Cymbal
- Splash Cymbal
- Tam-tam
- Wind Chime
- Sleigh Bells
- Wood Block
- Whip
- Glockenspiel
- Marimba (opt.)
楽曲解説
この作品は、能「土蜘蛛」の物語を基にして作曲しています。
--- 病気で臥せる源頼光のもとへ、召使いの胡蝶が、処方してもらった薬を携えて参上します。ところが頼光の病は益々重くなっている様子です。胡蝶が退出し夜も更けた頃、突然雲霧が沸き起こり、頼光の病室に見知らぬ法師が現れ、病状はどうかと尋ねます。不審に思った頼光が法師に名を聞くと、「わが背子(せこ)が来(く)べき宵なりささがにの」と『古今集』の歌を口ずさみつつ近付いてくるのです。よく見るとその姿は蜘蛛の化け物で、あっという間もなく千筋の糸を繰り出し、頼光をがんじがらめにしようとしますが、頼光は枕元にあった源家相伝の名刀、膝丸を抜き払い、斬りつけると、法師はたちまち姿を消してしまいました。
騒ぎを聞きつけた頼光の侍臣 独武者は 、大勢の部下を従えて駆けつけます。頼光は日頃の病もすっかり忘れた様子で、名刀膝丸を「蜘蛛切」に改めると告げ、斬りつけはしたものの、一命をとるに至らなかった蜘蛛の化け物を成敗するよう、独武者に命じます。
独武者が土蜘蛛の血をたどっていくと、化け物の巣とおぼしき古塚が現れます。これを突き崩すとその中から土蜘蛛の精が現れ、土蜘蛛は千筋の糸を投げかけて独武者たちをてこずらせますが、大勢で取り囲み、ついに土蜘蛛を退治します。---
元々は木管8重奏の作品ですが、日本橋女学館高等学校の委嘱により吹奏楽版を作曲し、その年に行われた第14回東日本学校吹奏楽大会にて銀賞。また翌年の第55回東京都吹奏楽コンクール小編成部門にて都立小山台高等学校が金賞を受賞。
吹奏楽版では描写的要素が増えており、土蜘蛛の鳴き声をイメージさせる打楽器の特殊奏法なども組み込まれています。場面が様々に変化していく作品ですので、演奏の際は間の取り方や音色を工夫し、緊張感がなくならないようにして下さい。
尚、木管8重奏曲と吹奏楽版では一部アーティキュレーションや音が異なっていますので、気をつけて下さい。
(松下 倫士)