♪詳細情報♪
詳細編成
Soprano Saxophone in B♭
Alto Saxophone in E♭
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭
Alto Saxophone in E♭
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭
♪楽曲解説♪
ヴィーヴ!サクソフォン・クヮルテットの委嘱により2012年に作曲。同年6月13日に浜離宮朝日ホールで行なわれた同アンサンブルの第10回リサイタルで初演。
「convection」は「対流」と訳される。一般に対流は、液体が下から熱せられると同時に上から冷やされることで起きるとされる、循環する流れのこと。反する熱源は高音と低音に位置づけられており、曲はその両極の様子、その狭間で奔走する流れをイメージして作られている。
曲において、「高音と低音」は4重奏としての全体における音域を指す場合もあれば、個々の楽器の中での音域を指す場合もある。いずれにしろ、全音域に渡って均質性の高いサクソフォーンという楽器の「内部」における質感の違いを出すことに興味があった。
演奏に際しては、テンポは速いに越したことは無いが、何よりもアクセントの明確な表出に留意されたい。特に、小節の頭もさることながら「短いまとまり」の頭にあるアクセントは強調し、「挟み込まれた断片」を聴き手に意識させたい。練習番号173からがコーダとなるが、その前よりもテンションが落ちることは避けたい。ここでは常に前に進む意識で、stretta気味に創るのもよいだろう。
(中橋愛生)