教えて都賀先生!【小編成 基礎編】
小編成レパートリーコレクションvol.11「魔法の鍋」発売記念!
小編成の指導、選曲のポイントを、小編成熱血指導中の都賀先生にお伺いしました!
小編成ならではのお役立ち情報を惜しみなくお教えいただきましたので、じっくりご覧ください!
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都賀城太郎
1981年より春日部共栄高等学校吹奏楽部を指導、幾度にもわたり全国大会出場へと導いた。2015年からは藤村女子中学高等学校にて吹奏楽部を指導。小編成バンドの指導に情熱を注いでいる。2017年管楽合奏コンテストに15名で出場し、大きな反響を得た。
- Q教えて都賀先生!小編成のバンド指導ってどうしたらいいんでしょうか…
- A全国の小編成バンドの皆さん、大編成のバンドは楽器も豊富で予算もあっていいな、それに引き換えウチは・・、などと考えたりしていませんか?そもそも吹奏楽には、編成、楽器、スタイルなど、こうでなくてはならないという縛りはほとんど無いのです。だから指導者のアイデア次第で、豊かなサウンドを、生徒にも聴き手にも楽しんでもらうことは可能なはずですし、そのために色々とアイデアをひねり出すのは結構楽しいものです。小編成・極小編成だからこそ、柔軟な発想を持つことで、スタイルでもジャンルでも、大編成には出来ない、多くの可能性を秘めているのです。だからこそ引き出しはいっぱい持っていたいし、柔軟な頭も持っていたいですよね。全国の小編成・極小編成の皆さん、勇気を持って頑張りましょうね。
- Q楽しんで取り組むこと、それが大事ですね!実際にはどこから始めたらいいのでしょうか?
- Aでは、まず具体的に小編成バンドの基本的な考え方についてお話ししましょう。
- Qなるほど!楽器の役割はグループ分けできるんですね。
- Aそうした考え方から、極小人数からの編成モデルを考えました。そこに少しずつ人数を加えていったのが、下記の表になります。
- ◆小編成のバンドでサウンドを体感するためには編成がとても大事なのですね。これを基本にすれば、演奏できる作品の幅も広がりそうです! 先生、選曲のポイントも教えてください!
グループ | 木 管 | 金 管 | 打 楽 器 | その他 |
---|---|---|---|---|
D | ピッコロ、フルート E♭クラリネット B♭クラリネット | グロッケン トライアングル ウインドチャイム | ピアノ シンセサイザー |
|
C | オーボエ B♭クラリネット ソプラノサクソフォン アルトサクソフォン | トランペット コルネット フリューゲルホルン | シロフォン マリンバ |
|
B | テナーサクソフォン アルトクラリネット | ホルン トロンボーン ユーフォニアム |
||
A | ファゴット バスクラリネット コントラバスクラリネット バリトンサクソフォン コントラバス | バストロンボーン E♭テューバ B♭テューバ | ティンパニ バスドラム |
編成を組む上で基本となるのは4声体(Sop. Alto. Tenor. Bass)。従来は管楽器の中だけで考えられてきましたが、小編成の響きを豊かにするためには打楽器やピアノなどを利用するのも効果的です。打楽器を音響的効果として使うだけではなく、管楽器と同等に旋律や和音を受け持たせることも可能です。
クラシカルな音楽を演奏する際に、ピアノ、ましてや電子楽器や機器を取り入れたりするのは邪道と考える指導者はまだまだ沢山いますが、大事なのは、生徒に豊かなサウンドを体験させるにはどうすればよいか、あるいは聴き手に満足してもらえるサウンドを作るにはどうしたら良いか、という観点で編成を考えたり、選曲を行うことなのではないでしょうか。
楽器名 | 5人 | 7人 | 10人 | 15人 | 20人 | 25人 | 30人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ピッコロ | (1) | (1) | 1 | ||||
フルート | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 |
オーボエ | 1 | 1 | 1 | ||||
B♭クラリネット | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | 4 |
バスクラリネット | 1 | 1 | |||||
アルトサックス | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 |
テナーサックス | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
バリトンサックス | (1) | (1) | 1 | 1 | 1 | ||
ファゴット | 1 | ||||||
トランペット | (1) | (1) | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 |
ホルン | 2 | 2 | 3 | 3 | |||
トロンボーン | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | ||
ユーフォニアム | (1) | (1) | (1) | 1 | 1 | 1 | |
テューバ | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | |
コントラバス | (1) | ||||||
ピアノ(シンセ) | 1 | 1 | 1 | (1) | (1) | (1) | (1) |
パーカッション | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 |
まず一番左側の5人編成から。Fl. はDグループ、B♭Cl.はDまたはCグループ、 A.Sax はCグループ、T. SaxはBグループ、Aグループはテューバがあれば越したことはないのですが、ピアノやシンセを入れると、サウンドが豊かになります。バンドは4人から可能ではありますが、出来たら5人いた方が良いです。ピアノだったら先生でも良いですよね。それにピアノ類は音域が広いのでどのグループの補強にもなるわけです。5人の管楽器のアンサンブルも良いのですが、電子オルガンなどを入れることによってサウンドが2段も3段もグレードアップします。
( )内の数字は代替楽器の例ですので4声体になるよう自由に組み合わせができる例です。
(電子楽器の使用は演奏する大会の規定に従ってください)