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楽曲詳細情報
- 作曲
- 鈴木英史(Eiji Suzuki)
- 演奏時間
- 8分45秒 (約)
- グレード
- 4.5
- 主なソロパート
- Fl. / S.Sax. / Timp.
- Trp.最高音
- 1st:F / 2nd:F / 3rd:F
- 編成
- 吹奏楽
楽器編成
- Piccolo
- Flute 1 & 2
- Oboe 1 & 2
- Bassoon 1 & 2
- E♭Clarinet
- B♭Clarinet 1 , 2 & 3 (all div.)
- Alto Clarinet
- Bass Clarinet
- Contra-alto Clarinet
- Contrabass Clarinet
- Soprano Saxophone
- Alto Saxophone 1 (div.) & 2
- Tenor Saxophone (div.)
- Baritone Saxophone
- Trumpet 1 (div.), 2 & 3
- Flugelhorn 1 & 2
- F Horn 1 , 2 , 3 & 4
- Trombone 1 , 2 & 3
- Euphonium
- Tuba (div.)
- String Bass
- Harp
- Piano
- Timpani
- Percussion ※6 players~
- Snare Drum
- Bass Drum
- 3 Toms
- Bongo
- Tam-tam
- Crash Cymbals
- Suspended Cymbal
- Glockenspiel
- Xylophone
- Vibraphone
- Marimba
- Tublar bells
- Wood Blocks
- Wind Chime
- Tsuke(ツケ)
楽曲解説
僕の作品には、佐川聖二先生の要望で産まれたものがいくつかあります(今後も増えていくことでしょう)。「信長~ルネサンスの光芒」はその記念すべき1曲目。佐川さんのことばを借りると「英雄の悲劇」がテーマになったシリーズなのです(このシリーズの第2弾が翌年に書いた「大いなる約束の大地~チンギス・ハーン」)。
佐川さんからは「信長を題材で」という要望がありました。「描写音楽」「単なる印象を綴る音楽」には全く興味がない僕は、この要望をどう自分の中で昇華するかを探るべく、信長の周辺を探りました。すると、信長時代に日本に初めて西洋音楽が伝わって来たこと、そし最初に西洋音楽を聴いた武将が信長であることが判明。彼が実際には、何の曲を聴いたのかは正確な資料が残っていないのですが、おそらくその当時西洋で広く好まれていた、ジョスカン・デ・プレの「千々の悲しみ」がその一つでは、という説が有力である、などの事実を得ました。
この事実に僕はとても興奮しました。「信長」と「日本の西洋音楽の受容」という遠い存在が繋がっていることの意外性、そしてまた「西洋音楽の受容」を考えた時に自然と繋がってくる「キリスト教の受容」とも重なるイメージがが湧き上がります。ご存知の通り、信長はキリスト教を手厚く保護しましたが、その後はご存知の通り悲劇的な弾圧の道、鎖国とともに、完全にアンダーグラウンド文化になります。西洋音楽も同じ運命(再び西洋音楽に日本が向き合うのは、明治維新以降)です。
このようなことから、自分たちが今活動の拠点としている西洋音楽(大別すれば)と日本、日本人と西洋音楽という視点で構想されました。これは「英雄の悲劇シリーズ」次作のチンギス・ハーンにも受け継がれます。
曲は、「千々の悲しみ」から派生した旋律動機で統一し、教会旋法とペンタトニック(5音音階)の混合を基本としています。信長の意志、受容の苦難、などのイメージに合わせて、旋法の比重を増減し、色合いの変化を実現しようとしたものです。
(鈴木 英史)